- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- >
- 運用リスク管理 >
- サブプライムショックとリスク管理
サブプライムローンの焦げ付きに端を発した世界的な金融市場の動揺が続いている。一説には、不良債権化懸念のあるローンはまだ100兆円あるという。米国住宅市場の低迷が家計消費を抑え、世界経済は少なくとも来春まで成長が鈍化するだろう。加えて、投資家のリスク許容度が低下する中、ローンの証券化商品にとどまらず、株式や低格付け債券、ヘッジファンド、不動産などリスクの高い他の資産の価格も低迷しつつある。
本来、長期投資家である年金基金は、こうしたリスクプレミアムの増加を絶好の投資機会とみることができよう。とはいえ、年金基金も母体企業も、4ヶ月後の来年3月には決算の数字を発表しなくてはならない。その時まで資産価格の低迷が続いていると、リスク管理の妥当性について説明を迫られる可能性がある。
その観点からの今回の教訓の1つは、過去のパフォーマンスがあくまでも参考数値に過ぎないことである。例えば、8月の世界同時株安は統計的には考えにくい、異常な現象だったという。また、流動性が逼迫し、リスク許容度が低下すると、それまで相関の低かったはずの資産価格が同時に下落する。長期投資家といえども、1年ごとに決算がある限りはこうしたリスクに注意を払い、そのリスクを母体企業に予め良く説明しておく必要があろう。
(2007年12月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2025年01月15日
インド消費者物価(24年12月)~12月のCPI上昇率が2カ月連続で低下、食品インフレ和らぐ -
2025年01月15日
貸出・マネタリー統計(24年12月)~利上げが貸出金利に波及、定期預金残高の底入れが顕著に -
2025年01月15日
景気ウォッチャー調査2024年12月~インバウンド需要は好調継続~ -
2025年01月15日
Investors Trading Trends in Japanese Stock Market:An Analysis for December 2024 -
2025年01月15日
投資部門別売買動向(24年12月)~海外投資家は買い越し、個人は売り越し~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【サブプライムショックとリスク管理】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
サブプライムショックとリスク管理のレポート Topへ