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- 店舗経営に見る動機付けの効果-フランチャイズ・チェーンの事例-
2007年11月09日
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- フランチャイズ・システムは、フランチャイジー(フランチャイズ加盟者)をオーナー店長とすることによって店長の収入を店舗業績に連動させることで、店舗経営に対するインセンティブを付与している。これは外発的動機付けと呼ばれる。
- しかし、心理学では外発的動機に加え、労働自体が楽しみであるという内発的動機の存在も主張される。内発的動機が既に存在している時に外発的動機付けが付与されると、内発的動機が弱められ、全体としての動機が弱められる可能性がある。
- 本稿では、フランチャイズ・システムに混在するオーナー店長と雇用店長の意識や行動を比較することによって、フランチャイズによる外発的動機付けが期待どおりの機能を発揮しているか検討した。
- それによると、労務管理の中でオーナー店長が熱心に取り組んでいるのは、「マニュアルの遵守」などの一部の行動にとどまり、オーナー店長であることが店舗業績にプラスの効果を与える事実は観測されなかった。
- しかし、フランチャイズ本部やスーパーバイザーのサポートに店長が満足している場合には、雇用店長に比べオーナー店長の方が、店舗業績をより大きく改善させていることが確認された。
- 仕事に対する満足度を見ると、強い外発的動機付けが与えられているオーナー店長が、店舗利益の伸びにより敏感に反応する事実は見られなかった。
- チェーン本部が店長を動機付ける上では、オーナー店長か雇用店長かという形態よりも、選択した店長の形態の中でいかに効果的に運用していくかがむしろ重要と考えられる。
(2007年11月09日「経済調査レポート」)
小本 恵照
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