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次回の財政検証に向けた公的年金の展望を示す時期に来ているはずなのに、深刻な年金加入記録問題の影に隠れて、将来の給付と負担に関する議論が少ないように感じる。
2004年の改革では、月額5.7万円(労使折半)の保険料を2017年までに約7万円まで引き上げて据え置く計画であった。それでも、加入者一人で受給者一人を支える時代も近づき、公的年金財政の維持が困難なことは明らかであった。
サラリーマン世帯の現在のモデル給付額23万円を実質的に切り下げていくマクロ経済スライド導入が、問題解決の切り札であった。しかし、加入者の賃金低下などにより、発動が凍結され、給付削減どころか足元の所得代替率は上昇している。この安定化装置がいつ作動するのか、給付と負担のギャップがどう埋まるのか、人々は将来へのリスクを感じながら生活している。
リスクが高まれば、人々は現在の消費を抑制して貯蓄を高めるし、情報の少なさにも、リスクプレミアムを要求する。将来への不安は、現在の経済環境に影響を及ぼしている。負担増加と給付削減の議論を将来に先送りすることなく、景気回復で一息ついた今こそ、年金問題に適切な展望を示す必要があろう。
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