- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 年金 >
- 企業年金 >
- 投資教育は万能薬か
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
この3年の株価上昇により、確定拠出年金(日本版401kプラン)の加入者間で利回りの格差が生じている。株式投資のリスクを取った人々は高い利回りを確保してきた。他方、預金など元本保証型の商品に投資し続けた人々の利回りは、制度を導入した際に想定していた水準に遠く及ばない。その対策として、加入者への継続的な投資教育の必要性が主張されている。
注目したいのは、発足後25周年を経た米国401kプランの経験である。一旦投資した先を全く変えない、リスクを取ろうとしない、さらに自社株に集中投資する、などの行動は、どんなに投資教育をしても、簡単には変えられない。その教訓から、昨年夏に成立した企業年金保護法では、加入者が商品を選択しない場合のデフォルトファンドに、バランスファンドを指定できるようにした。
投資教育の重要性は言うまでもない。しかし、教育だけで行動を変えるのに限界があるのは日本でも同じであろう。例えば制度発足の際に、元本確保型以外の商品をデフォルトにして、想定した利回りを達成できるようにするなど、制度の仕組み面で手当てを行って、投資教育を補完するべきではないか。
(2007年03月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年07月11日
トランプ関税の日本経済への波及経路-実質GDPよりも実質GDIの悪化に注意 -
2025年07月10日
企業物価指数2025年6月~ガソリン補助金の影響などで、国内企業物価は前年比3%を割り込む~ -
2025年07月10日
ドイツの生命保険監督を巡る動向(2)-BaFinの2024年Annual ReportやGDVの公表資料からの抜粋報告(生命保険会社等の監督及び業績等の状況)- -
2025年07月09日
バランスシート調整の日中比較(後編)-不良債権処理で後手に回った日本と先手を打ってきた中国 -
2025年07月09日
貸出・マネタリー統計(25年6月)~銀行貸出の伸びが回復、マネタリーベースは前年割れが定着
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【投資教育は万能薬か】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
投資教育は万能薬かのレポート Topへ