- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 米国のキャッシュバランスプランの行方
日本に輸入され、すっかり定着した感のあるキャッシュバランスプランであるが、お膝元の米国ではIBM訴訟や会計基準の曖昧さもあり、なかなか企業側も手を出しにくい状況が続いている。一言で言えば、諦めて確定拠出年金を導入するか、様子見の態度を貫いているようである。
しかし昨今、ブッシュ政権、上院、下院のそれぞれからキャッシュバランス制度の改革案が出されている。そのどれもが、年齢差別禁止法、whipsaw(のこぎり:勘定残高=選択一時金とならない米国給付建て制度に起因する問題)、wear-away(磨り減り:経過措置を設けても既存給付に追いつかない期間が発生する問題)の3問題に関して適切な規制を行なうが、キャッシュバランス自体は認めていくのが基本方針のようである。
日本のキャッシュバランスプランには、今のところ法制面の違いがあるので、米国のような問題は生じていない。しかし、受給権保護の規定に関しては、今後、拠出建て制度に限りなく近い給付建て制度の設計などの工夫が試みられる可能性が高い。法律の見直し時期に入った今、年金関係者は給付設計の基本的なあり方について、考え方の整理のための議論をはじめる必要がある。
(2006年03月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年09月19日
米FOMC(24年9月)-政策金利▲0.5%引き下げを決定。20年以来となる利下げを開始 -
2024年09月19日
資金循環統計(24年4-6月期)~個人金融資産は前年比98兆円増の2212兆円と過去最高に、リスク性資産への投資が進む -
2024年09月19日
家計消費の動向(~2024年7月)-物価高で食料や日用品を抑え、娯楽をやや優先だが温度差も -
2024年09月19日
米住宅着工・許可件数(24年8月)-着工件数は前月、市場予想を上回る。住宅ローン金利の低下が住宅需要に追い風 -
2024年09月18日
日銀短観(9月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは1ポイント低下の12と予想、価格転嫁の勢いに注目
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【米国のキャッシュバランスプランの行方】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
米国のキャッシュバランスプランの行方のレポート Topへ