- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 社会保障制度 >
- 年金制度 >
- 年金制度の「経路依存性」
1994年に「高齢化の危機を避ける」というタイトルの、3階建ての年金制度を薦めたレポートを発表し、論議を巻き起こした世界銀行が、新たなレポート「21世紀における高齢者所得支援」を発表した。
そこでは、(1)生活保護など社会扶助、(2)皆年金の公的年金、(3)義務的な職域年金、(4)任意の職域年金、(5)医療保険、住宅、家族や個人の支援などその他の準備、を状況に応じて活用することが提言されている。
これを3階建てが批判されたから、代わりに5階建ての提言を出してきたとみたのでは短絡的すぎる。核心は、特に先進国の改革は、各国が現在までこの5つをどう活用してきたかという経緯に応じて、改革を進めるべきとしたことにある。経済学の「パス・ディペンダンシー(経路依存性)」である。
高齢化や雇用形態の多様化など年金の病状が同じでも、処方箋には経路依存性があり、同じ薬がいつも効くわけではない。海外の改革例をそっくりそのまま持ち込めば年金の問題が解決すると思いがちな、日本の改革論議への警鐘ともなろう。
このレポートの関連カテゴリ
ソーシャルメディア
新着記事
-
2021年04月21日
英国雇用関連統計(3月)-休業者の増加は一服 -
2021年04月21日
中国インシュアテックの水滴、米IPO申請へ -
2021年04月20日
今週のレポート・コラムまとめ【4/13~4/19】:まん延防止等重点措置は緊急事態宣言と何が違うのか -
2021年04月20日
米国の個人年金商品-指数連動化が進む米国生保の個人年金- -
2021年04月20日
ドル円失速の理由とドル高再開の条件~マーケット・カルテ5月号
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2021年04月12日
News Release
-
2021年04月02日
News Release
-
2021年01月21日
News Release
【年金制度の「経路依存性」】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
年金制度の「経路依存性」のレポート Topへ