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公的年金(国民年金と厚生年金)の資産、80兆円あまりを運用する年金資金運用基金は、2年連続の黒字により、累積赤字を解消して初めて国庫に運用益を納付した。かつて巨額の赤字を抱えていた時には、株式運用からの撤退さえ提案されていたことを思うと、隔世の感がある。
しかし、赤字か黒字か、つまり運用利回りが0%を上回るかどうかという基準は、年金運用の成果を評価する上で、ほとんど意味がない。マスコミや政治家が、赤字か黒字かで一喜一憂するのは、資産運用のイロハを知らず、知ろうともしないからである。
こうした土壌では、長期金利の上昇による債券価格の下落などで、今後また損失が生じると批判が再燃する恐れがある。損失を避けるために、全額を短期国債に配分するというのでは不幸である。
無用な批判を避けるためにも、年金資金運用の目的や意義について、国民を啓蒙し、よく理解してもらう必要がある。諸外国の例も参考に、新しい独立行政法人には、ステークホルダーである国民の理解を深めるように、積極的な広報や説明を期待したい。
(2005年10月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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