- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 社会保障制度 >
- 年金制度 >
- 年金一元化論から再び、税方式へ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
昨年5月の3党合意でうたわれた、年金一元化が迷走しつつある。もともと、政府与党はまず、公務員などの共済年金と民間サラリーマンの厚生年金を統合するつもりであった。これに対して、民主党はスウェーデン方式を参考に、自営業者まで含めて、所得比例年金を支給する一元化を主張してきた。
確かに、自営業者とサラリーマンの制度が完全に一本化すれば、この両者間を転職するにしても、煩雑な手続きが不要になる。また、就業形態についての中立性や職業間の公平性も高まる。しかし、自営業者の所得把握ができていない現状が改まらない限り、サラリーマンとの間で、不公平が残る。そもそも事業主負担分に相当する保険料を、自営業者が喜んで払うかどうかも疑問である。
最近では日本経団連だけでなく、民主党の支持母体である連合が、現行の基礎年金制度を前提にして、その財源を消費税とする税方式を改めて主張するようになっている。どうやら、一元化は公務員と民間サラリーマンの統合に止まり、その上で、未納未加入や専業主婦問題も一挙に解決できると言われてきた、基礎年金財源の完全税方式化が再び、議論の俎上にのぼりそうである。
(2005年01月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年04月24日
若年層のサステナビリティをめぐるジレンマ-「責任意識」が動きだす、ゴールデンウィークという非日常のスイッチ -
2025年04月23日
IMF世界経済見通し-トランプ関税で世界成長率は3%割れに -
2025年04月23日
トランプ関税で激動の展開をみせる米中摩擦-中国は視界不良の難局にどう臨むか -
2025年04月23日
中国経済:25年1~3月期の評価-春風に潜む逆風。好調な出だしとなるも、米中摩擦の正念場はこれから -
2025年04月22日
小学生から圧倒的人気【推しの子】-今日もまたエンタメの話でも。(第4話)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【年金一元化論から再び、税方式へ】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
年金一元化論から再び、税方式へのレポート Topへ