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株主総会の季節が終わった。今年も、「物言う株主」として年金基金への注目度がますます高まった。実際、厚生年金基金連合会では、総会議案の3割に反対したという。
確かに、株式持ち合いの下で緩みがちであった、経営者への規律付けを強めるには、年金基金による積極的行動が期待される。ただ、気になるのは、年金基金自身へのガバナンスである。
年金基金の理事の受託者責任は、プロセスにより判断され、結果が悪いだけでは責任を問われないという。しかし、それと企業経営者の責任と何が異なるのだろうか。業績は不振でも、忠実義務や注意義務に則って行動した経営者に対し、退職慰労金を支給しない、再任しない、のは、行き過ぎという見方もできるだろう。
経営の結果への責任は法律上の責任とは別だというのかもしれない。しかし、そうであれば年金基金にも、運営の結果責任を問うメカニズムを導入すべきだ、それがなければ、企業のガバナンスとの間で一貫性に欠ける、などの批判も聞こえかねない。年金基金が企業のガバナンスに熱心になればなるほど、この「二重の基準」の問題への注目が避けられなくなるだろう。
(2004年09月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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