- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 年金 >
- 年金資産運用 >
- 誤解に基づいたわが国の年金ALM
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
そもそも米国で、年金ALMの理論的バックグラウンドとなっている現代ポートフォリオ理論が本格普及したのは、リスクを痛感したことが契機のようである。『リスク・神々への反逆』(P.バーンスタイン著)でも、「1952年にハリー・マーコビッツがポートフォリオ選択のリスクに焦点をあてたが、強気相場の下では関心を引かず、注目されたのは、石油ショック以降の株価下落リスク発生時だった」と述べている。
翻って、わが国の年金ALMは、運用規制緩和と積立不足の下で導入されたため、リターン確保を狙って、リスク性資産占率引上げを正当化する手段となり、直近の株価下落で更に積立不足を悪化させたケースも散見される。
ひとたび誤った使い方が普及すると、「世間の評判を得るためには、慣行に従わないで成功するより、慣行に従って失敗した方が良いのである」とのケインズの言葉通り、リターン重視のALMが主流になってしまった。今からでも遅くないので、リスクにも着目する現代ポートフォリオ理論本来の使い方をしては如何だろうか。
(2002年07月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年09月03日
増え行く単身世帯と消費市場への影響(4)-教養娯楽・交際費から見る「自分時間」「人間関係」「自己表現」への投資 -
2025年09月03日
DC制度運営の再点検を -
2025年09月03日
成立した年金制度改正が将来の年金額に与える影響 -
2025年09月03日
日本の人的資本投資の現状と課題 -
2025年09月03日
外国人が支える人口動態~多言語対応等の居住支援が喫緊の課題
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【誤解に基づいたわが国の年金ALM】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
誤解に基づいたわが国の年金ALMのレポート Topへ