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そもそも米国で、年金ALMの理論的バックグラウンドとなっている現代ポートフォリオ理論が本格普及したのは、リスクを痛感したことが契機のようである。『リスク・神々への反逆』(P.バーンスタイン著)でも、「1952年にハリー・マーコビッツがポートフォリオ選択のリスクに焦点をあてたが、強気相場の下では関心を引かず、注目されたのは、石油ショック以降の株価下落リスク発生時だった」と述べている。
翻って、わが国の年金ALMは、運用規制緩和と積立不足の下で導入されたため、リターン確保を狙って、リスク性資産占率引上げを正当化する手段となり、直近の株価下落で更に積立不足を悪化させたケースも散見される。
ひとたび誤った使い方が普及すると、「世間の評判を得るためには、慣行に従わないで成功するより、慣行に従って失敗した方が良いのである」とのケインズの言葉通り、リターン重視のALMが主流になってしまった。今からでも遅くないので、リスクにも着目する現代ポートフォリオ理論本来の使い方をしては如何だろうか。
(2002年07月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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