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平成13年に制定される予定の企業年金法のたたき台が、新聞などで報じられはじめた。一つの焦点が最低積立基準、特に解散時に年金支払ができる準備を求める解散時積立基準である。
厚生年金基金では、平成9年度に解散時(非継続時)積立基準による財政検証が導入された。しかし、これまでのところ、積立不足の回復は強制されていない。現在の積立水準があまりに低いため、追加拠出に耐えられないという企業の声によるのだろう。
適格退職年金にも同じ基準を適用すると、抵抗はさらに強くなる。そこで、企業年金法では一定の移行期間を設け、できるだけ多くの資産を積み立てさせる。その上で、税制適格な退職金(年金)は積立資産の範囲に合わせ、従来の退職金でも、積み立てられないところは別の制度にする必要があるかもしれない。
もちろん、従業員は従来の退職金を全額、維持するよう主張するだろう。しかし、積立の裏付けがなければ、約束といっても話は違う。確実に支給される退職金と、積立のない税制非適格な退職金を分けることは、従業員にもマイナスだろうか。企業年金法の制定は、そうした現実的な議論を積み重ねるきっかけにすべきである。
(2000年10月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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