- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 議論が望まれる、持ち合い株式の年金拠出
1999年01月01日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
ソニーが発表した年金への保有株式の拠出(信託)は、間近に迫る、企業会計基準のグローバルスタンダード化(2000年度から退職給付債務のオンバランス、2001年度から持ち合い株式の時価評価)に対応した財務政策の嚆矢だろう。
年金債務の圧縮と実質的な持ち合い維持という一石二鳥の狙いがある。さらに、スパイラル的な株価下落防止のために経団連などが色々と知恵を出しているが、持ち合い株式売却の受け皿としての効果も期待できるのである。
しかし、親会社が投資採算の悪化した株式を信託し、売らずに塩漬けにしたのでは、年金基金との間で利益相反の恐れがある。つまり、年金資産のポートフォリオ運用方針が崩れて、親会社の更なる負担が必要になるかもしれない。
年金基金に「売らぬ、物言わぬ」株主であることを望むのは、コーポレート・ガバナンスの強化が叫ばれる時代に逆行する。拠出株式の処分権限を基金に移転するのが最低条件だろう。
(1999年01月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年11月14日
マレーシアGDP(2025年7-9月期)~内需は底堅く、外需は純輸出が改善 -
2025年11月14日
保険と年金基金における各種リスクと今後の状況(欧州 2025.10)-EIOPAが公表している報告書(2025年10月)の紹介 -
2025年11月14日
中国の不動産関連統計(25年10月)~販売が一段と悪化 -
2025年11月14日
英国GDP(2025年7-9月期)-前期比0.1%で2四半期連続の成長減速 -
2025年11月14日
家計消費の動向(二人以上世帯:~2025年9月)-「メリハリ消費」継続の中、前向きな変化の兆しも
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【議論が望まれる、持ち合い株式の年金拠出】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
議論が望まれる、持ち合い株式の年金拠出のレポート Topへ










