- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 議論が望まれる、持ち合い株式の年金拠出
ソニーが発表した年金への保有株式の拠出(信託)は、間近に迫る、企業会計基準のグローバルスタンダード化(2000年度から退職給付債務のオンバランス、2001年度から持ち合い株式の時価評価)に対応した財務政策の嚆矢だろう。
年金債務の圧縮と実質的な持ち合い維持という一石二鳥の狙いがある。さらに、スパイラル的な株価下落防止のために経団連などが色々と知恵を出しているが、持ち合い株式売却の受け皿としての効果も期待できるのである。
しかし、親会社が投資採算の悪化した株式を信託し、売らずに塩漬けにしたのでは、年金基金との間で利益相反の恐れがある。つまり、年金資産のポートフォリオ運用方針が崩れて、親会社の更なる負担が必要になるかもしれない。
年金基金に「売らぬ、物言わぬ」株主であることを望むのは、コーポレート・ガバナンスの強化が叫ばれる時代に逆行する。拠出株式の処分権限を基金に移転するのが最低条件だろう。
このレポートの関連カテゴリ
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月19日
しぶといドル高圧力、一体いつまで続くのか?~マーケット・カルテ5月号 -
2024年04月19日
年金将来見通しの経済前提は、内閣府3シナリオにゼロ成長を追加-2024年夏に公表される将来見通しへの影響 -
2024年04月19日
パワーカップル世帯の動向-2023年で40万世帯、10年で2倍へ増加、子育て世帯が6割 -
2024年04月19日
消費者物価(全国24年3月)-コアCPIは24年度半ばまで2%台後半の伸びが続く見通し -
2024年04月19日
ふるさと納税のデフォルト使途-ふるさと納税の使途は誰が選択しているのか?
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【議論が望まれる、持ち合い株式の年金拠出】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
議論が望まれる、持ち合い株式の年金拠出のレポート Topへ