1998年11月25日

多様化が進む米銀の収支構造

久保 達哉

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■目次

1.利ざやで優位に立つ米銀
2.業務拡大で非金利収入を確保
3.課題は邦銀の収益構造改革

■introduction

銀行収益を日米間で比較した場合、邦銀の劣勢が目につく。これは日米の収益構造の違いによるものである。図表-1は米国の全商業銀行とシティコープ、邦銀では唯一米国SEC基準で財務データを公開している東京三菱について、収支構造を比較したものである。
ネット金利収入(利ざや)についてみると、東京三菱は総資産平残に対する比率で0.91%とシティの4分の1以下となっている。シティのグロス金利収入の対総資産平残比率は8.31%と非常に高く、このことがグロス金利支出が4.44%と高いことをオフセットしている。その結果、米国商業銀行全体の水準を若干上回る利ざやが確保されているのである。
一方、東京三菱は足元の低金利もあって、グロス金利支出は2.01%と低くなっているが、グロス金利収入も2.93%という低水準にある。結果として利ざやは0.91%と薄くなっている。

(1998年11月25日「基礎研マンスリー」)

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