1997年10月01日

「予定利率弾力化」の意義

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97年度から、厚生年金基金の決算に、資産の時価評価が導入されるが、債務側でも、従来は一律5.5%であった予定利率の弾力化が決まった。10年国債利回りの5年平均値(96年度末現在で4%)を下限に、上限6.5%までの範囲で、基金の裁量により弾力化が可能になったのは画期的なことである。
市場実勢により近い、低い割引率を採用すると、資産と負債の「双子の赤字」を基金会計上、表面化させることになるが、この意味で、「最善の予測」に従う年金債務評価は、年金経理の正しい姿を明らかにすることに役立つであろう。
このように、基金の運用規制緩和や予定利率弾力化によって、関係者は、受託者責任をさらに意識し、各基金の実態に合った適切な運営を求められることになる。また、基金の会計情報の開示は、「受給権保護」の担保としても、有効に機能することが期待されるのである。

(1997年10月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)

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