1996年12月01日

中国のWTO加盟と外国人料金

板橋 正

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■見出し

はじめに
1.GATTへの「復帰」
2.WTO加盟にあたっての問題点
3.外国人料金の実態
4.外国人料金の由来
5.外国人料金の将来

■introduction

中国のWTO(世界貿易機関)加盟が遅れている。WTOはGATTウルグアイランド後の1994年4月に設立が合意され1995年1月1日に発足した、新しい世界貿易の枠組みを提供する組織である。WTOはGATT締約国は自動的にそのメンバーとなることになっており、96年7月末現在で122の国と地域が加盟している。このメンパーリストの中に中国はない。中国は1986年からGATT復帰を申請し、WTO発足後の1995年12月には改めてWTOへの加盟を申請したが、実現していないのである。近年これほどの経済成長を遂げ、経済力を背景とした発言力も次第に強まっているのにもかかわらず、WTOには加盟できていないのである。これには、一部西側先進国による中国に対する警戒感も原因とされているが、中国側にも輸出入に関する数量制限や一部商品に対する高関税、知的財産権保護など問題は数多くある。そのうちの一つが外国人料金の存在である。これはWTOの内国民待遇原則に反しており、中国政府がよく使う「平等互利(=平等互恵)」 にも反する現象であり、早期の改善が求められる問題である。本稿ではまず中国とGATT、WTOの歴史的な関わりを紹介し、続いてWTO加盟の障害となっている外国人料金の実態の数々をご紹介したい。

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