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プルーデント・マン・ルールが米国で普及したのは、大恐慌の頃、最も安全と考えられていた国債が暴落し、リーガル・リスト法(運用対象や割合を明記)による規制の限界が露呈したことが契機である。
そして、かつて年金資産の株式投資を是認する歴史的な判決を勝ち取ったハーバード大学年金基金では「分散投資による安定的な収益確保」を基本理念として、米国株36%、米国債13%に対し、外国株15%、エマージング株9%、外国債5%の他、ベンチャー株15%、商品3%(96年6月末)など幅広く、先端的な資産配分を行っている。
翻って、わが国では、一般に安全性資産の50%以上の組入れ規制が適用されている。しかし、「国債が安全、株式が危険」という過去の経験則がいつも当てはまる保証はない。米国でリーガル・リスト法が撤廃されプルーデント・マン・ルール(受託者責任)が導入された経緯を、教訓にしたいものだ。
(1996年09月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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