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- 中国社会保障制度の改革について ~養老保険(年金)制度の改革を中心に~
1995年11月01日
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<要旨>
- 中国は、改革開放によって社会主義計画経済が崩れ、社会主義市場経済に移行した。経済改革に乗り切れない数多くの国有企業は、長期に渡って赤字経営に追い込まれ、定年退職者に年金を支給することも難しくなった。また、国有企業の改革によって終身雇用制が崩れ、老後生活への不安が高まってきた。このような国民生活の不安を解消し、国有企業の改革を支援するため、中国政府は養老保険(年金)制度の改革を急テンポで進めている。
- 中国の社会保障制度は、1950年前後に、まず国営企業の従業員及び一部の都市型集団企業の職員・労働者を対象に作られた。社会主義制度のもとに成立し、その後制度の充実が図られてきたが、「文化大革命」の過程で制度が崩壊寸前に至り、改革開放後の市場経済に全く対応できないものとなった。
- 市場経済への移行に対応した国有企業改革のカギを握るのが、社会保障制度の改革である。養老保険制度は社会保障制度の基軸にあたるところから、国務院は強力に養老保険制度の改革を推進している。
- 改革開放の先端都市である上海市は、同時に社会保障制度改革の先端都市でもある。上海市は、改革のモデル都市として、養老保険制度の改革を実施に移した。
- 21世紀前半の中国は、3つの巨大なピークを迎える。15億の総人口、10億の就業者そして3億の高齢者がそれである。21世紀に迎えるこのピークをどう乗り切るか、これが中国の「生存と発展」を賭けた課題であり、これへの対応のためにも社会保障制度の改革が急がれている。
(1995年11月01日「調査月報」)
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