1992年01月01日

1992年度経済見通し

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<要旨>

  1. 91年度はソ連の政変・混乱等多くの出来事が発生したが、主要国景気の点では米国、英国のマイナス成長、日本、(旧)西独の減速と全般的に低調な年となった。以下はこうした現状をもとに、来年度の海外主要国と日本経済の見通しを策定したものである。
  2. 海外経済の面では、(1)原油価格は91年度の19ドル/バレル(日本の通関入着ベース)から92年度には17ドルに低下へ。(2)米国経済は91年に82年以来のマイナス成長(▲0.5%)となろう。92年はプラスの成長に転じるが、潜在成長率の下限に近い1.9%にとどまり、今後の着実な景気回復に向けての「地固めの年」となろう。(3)欧州では、(旧)西独の景気は92年に一段と減速しよう(実質成長率、91年3.4%、92年1.9%)。一方、イギリスの実質成長率は、91年の▲2.0%から92年は1.7%%のプラス成長となろう。
  3. 日本経済は、金融引締めの影響等により90年度下期から減速傾向となり、景気の調整局面が続いている。91年度の成長率は3.3%に低下、92年度は3.0%となろう。92年度も「適正速度での成長」、「バランスのとれた成長」に向けての修正過程の年といえよう。景気の調整局面は92年度上期末頃までには終了するが、調整終了後の景気回復力は限られよう。
  4. 国際収支は今後、日本の景気減速、米国の景気回復、円高のJカーブ効果、原油価格の下落等から黒字が鉱大し、経常収支黒字は91年度は820億ドル、92年度は950億ドルとなろう。黒字拡大には景気循環的な要素も大きいとはいえ摩擦問題への懸念が残ろう。
  5. 円ドルレートは、91年度平均で134円、92年度平均で130円とみた。また、91年度末頃までに第3次利下げ(公定歩合5%→4.5%)、その後は横這いと見込んだ。公共投資については、92年度の伸び率の上昇(名目公的固定資本形成、91年度7.0%増、92年度8.4%増)と前倒し執行を想定している。
  6. ソ連問題他、課題が山積している世界経済の中で、各国の政策協調が不可欠であるう。また、対外的には市場開放への努力が求められ、国内的には調整局面での予想以上のダウンサイド・リスクの可能性も否定できず、機動的かつ弾力的な政策対応の重要性が高まろう。

(1992年01月01日「調査月報」)

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