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- 1991年度改定経済見通し
1991年08月01日
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○湾岸戦争終結後の情勢を踏まえ、昨年11月に策定した「'91年度経済見通し」の改定を行った。原油価格が前回見通しに近い水準で推移してきたこと、公定歩合の引き下げがあったものの小幅であったこと等から、見通しの基本的な考え方に変更はなく、予測値の修正も小幅である。要旨は以下の通り。
- 日本の'91年度の実質GNP成長率は3.3%と'90年度(実績、5.7%)から減速しよう。'91年度の成長率は、湾岸支援関係の歳出削減や増税、また需要項目別の最近の動向等を勘案し、前回予測の3.4%からわずかに下方修正している。
- 実質GNP成長率は'87年度以降、設備投資・消費等の内需の拡大により、5%前後の高い成長が持続してきたが、金融引き締め、海外景気の後退等により、'91年度は'90年度下期以降の減速状況が続き、「景気中だるみ」の年と特徴付けられよう。
ただし、(1)旺盛な研究開発投資、省力化投資等の独立的投資の拡大を背景に、設備投資の基調が強い、(2)雇用者所得の堅調な伸びで消費も底堅い―等から、景気の底割れは避けられよう。
現在の景気拡大局面は本年9月に「いざなぎ」最気を越え、'92年度へと繋がって行く可能性が高いとみられる。 - 物価上昇率はピーク・アウトしつつあるが、労働需給の構造的な逼迫を背景に、労働コスト面での物価上昇圧力は持続し、消費者物価上昇率は高止まりしよう。
- 国際収支は、輸出の堅調が続く一方、内需の減速・原油価格の下落等により輸入の伸びが低下することから、貿易収支、経常収支ともに'91年度の黒字額は増加しよう。経常収支黒字の対名目GNP比は、'90年度の1.1%から、'91年度には1.9%('89年度並み)となろう。
- 世界経済は、貯蓄不足、ガットのウルグアイ・ラウンド交渉、ソ連や東欧の変革および市場経済化等の大きな中長期的課題、問題を抱えており、従来にも増して国際的な政策協調が求められよう。
(1991年08月01日「調査月報」)
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