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公的年金に関しては、基本的に「ねんきん定期便」によって保険料の納付状況を確認し、将来に受取る年金給付の見込み額を知ることができる。これらは、老後の生活設計を考えるに際して、必要不可欠な重要情報である。
ところが、企業年金に関する様々な情報は、加入者に十分認識されているだろうか。企業によって取組みは様々であろうが、年金の制度設計がどうなっているか、企業がどれだけの拠出を行ったか、資産の運用状況はどうか、そして、受給の見込み額がどの程度になるか等、ほとんどの従業員は知らされていないだろう。
企業による拠出は従業員の所得とはならないし、確定給付年金の場合には、運用成果も直接の受給額に影響しない。また、将来の年金受給見込み額も、場合によっては、企業業績の悪化等によって削減される可能性がある。それでも、加入者が老後の生活設計を予め考えるためには、退職前の情報提供が必要なのではないか。
受給権の発生以降、定期的に年金原資の見込み額(即ち、一時金での受取り予想額)及び年金受給を選択した場合の見込み額を知ることができるようにしてはどうか。欧州の年金改革においては、統一様式の通知を毎年加入者宛に送付することが提案されている。
(2015年09月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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