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- 【6月米住宅販売】回復期待は削がれることに
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【要旨】
結果の概要:回復期待に水を差す結果
7月22日に全米不動産協会(NAR)が6月の中古住宅販売件数を、24日には米国商務省と住宅都市開発省(HUD)が共同で6月の新築一戸建て住宅販売件数を公表した。
6月の中古住宅販売件数は季調済の年換算で504万件(前月改定値:同491万件)となり、前月から拡大、市場予想の499万件(Bloomberg集計の中央値、以下同様)も上回った。
一方、6月の新築一戸建て住宅の販売件数は季調済年換算で40.6万件(前月改定値:同44.2万件)となり、こちらは前月や市場予想(47.5万件)を下回った(詳細はPDFを参照)。
6月の住宅販売は中古住宅と新築住宅で方向感に差が生じる結果となった。ただ、両者を見ると新築販売の結果が強く印象に残る内容だったと言える。新築販売は前月公表された5月の速報値(50.4万件)が良好だったため、回復期待が高まっていた。それだけに、今回公表された5月の改定値(44.2万件)が速報値より大きく下方修正され、また6月分も不調という結果は、住宅の回復期待に水を差す内容として印象に残る。新築住宅販売件数は中古住宅と比較して金融危機前のピーク対比での水準が低く、依然として米国経済の懸念材料であることが再確認された結果とも言える。
今後の住宅市場については、引き続き人口増や景気回復が市況改善の材料となるだろう。金融政策で低めの金利誘導が続けられており、当面はこの状況が続くことも好材料と言える。しかし、現状の住宅価格やローン金利で新築住宅への需要が高まりにくいことは、これまでの住宅販売統計が示している通りであり、回復ペースの加速要因とはなりにくい。そのため、メインシナリオでは、これまでのような緩慢な回復が続くと見ている。さらに、金利の急上昇などで販売件数が鈍るなどのリスクを抱えていることには注意したい。
(2014年07月25日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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