- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 社会保障制度 >
- 年金制度 >
- 確定野心制度(Defined Ambition Plan)
公的年金給付をスリム化してきた英国では、事業主がリスク負担を避けようとして、職域年金でも確定給付制度(DB)から確定拠出制度(DC)へのシフトが加速してきた。ただ、DC制度では老後に十分な資産を形成できるか不確実なだけでなく、資産を年金に換えるのも個人の責任に委ねられている。そこで、英国政府はDBとDCの中間的な制度、すなわち事業主と従業員の間でリスクを分担しつつ、ある程度確実な給付が得られる折衷型(ハイブリッド)プランの可能性を探ってきた。
その中間報告と言えるのが、昨年11 月に年金雇用省が発表したReshaping workplace pensions for future generations(将来世代のための職域年金改革)というコンサルテーションペーパーである。この報告では、DB制度を元にしつつその給付額を弾力化する、あるいはDC制度を元にしながら資産を合同運用し、最低保障年金を購入する、などの仕組みが提案された。
報告ではこれらの仕組みを「確定野心制度(Defined AmbitionPension:DA制度)」と呼んでおり、このDA制度はオランダやカナダでも議論されつつある。制度の維持可能性と給付の確実性の両立という野心をどう達成していくのか、DB/DCの二分法に拘らない創意工夫が問われている点は、日本も同じである。
(2014年06月04日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年11月08日
英国金融政策(11月MPC公表)-新予算案を受けてインフレ見通しを上方修正 -
2024年11月08日
米FOMC(24年11月)-予想通り、政策金利を▲0.25%引き下げ。パウエル議長が任期途中での辞任を否定 -
2024年11月08日
内外株式ファンドで売却膨らむ~2024年10月の投信動向~ -
2024年11月08日
基礎研REPORT(冊子版)11月号[vol.332] -
2024年11月08日
実質賃金の回復を急げ-持続的な生産性向上に向けた議論を
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【確定野心制度(Defined Ambition Plan)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
確定野心制度(Defined Ambition Plan)のレポート Topへ