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この4月から厚生労働省による「厚生年金基金の資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドラインについて」(通知)が改正され、その中で、資産運用委員会の構成員に、専門的知識および経験を有する学識経験者や実務経験者を加えることとされた。
この改正は、AIJ事件等を受けて、厚生年金基金のみならず確定給付企業年金等が年金運用の意思決定に際して、従来、総幹事や出入業者などの提案を鵜呑みにして来たのではないかという懸念が高まったことを反映したものであると考えられる。しかし、本質的な問題は、単なる資産運用委員会の構成員の顔触れといった表面的な対応だけで解決されるものではない。
求められているのは、個々の年金による主体的な判断と意思決定である。日本銀行の金融政策決定会合で見られたように、執行部が交代した途端、多くの審議委員が180度反対の意見に変えるような意思決定は、年金運用では望ましくない。制度の加入者に対する受託者責任を考えると、真摯かつ誠実な議論に基づく決断が求められており、政治的判断は必ずしも必要ないだろう。
(2013年06月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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