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2004年の公的年金改革の意義を復習すると、保険料を引き上げてきた歴史から決別し、保険料固定方式の導入が目玉であった。保険料率の“上限”を約18%とし、これ以上の引き上げがないことが国民に約束された。
その代わりに、マクロ経済スライドという、余命の伸びや被保険者の減少に応じて年金給付を削減する自動調整機能が導入された。これにより年金財政は持続可能になるはずであった。
しかし実際には、給付水準は最低50%を維持するという“下限”が追加された。わが国の公的年金は“上限”と“下限”に挟まれ、がんじがらめの様相にある。その上、肝心の自動調整機能でさえ、実質的には未だ発動されていない。
このように自由度を失っている年金制度に、最低保障年金7万円という新たな下限が追加されようとしている。財源が税とはいえ、国民が負担することには変わりがなく、負担を抑えるための自動調整機能に逆行する新たな制約になりかねない。
年金制度が息を吹き返すためには、まず、改革の着実な実行を考えるべきではないだろうか。
(2009年10月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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