2009年05月25日

投資の評価頻度・フレーミングと近視眼的損失回避(MLA) -ファイナンス実験による検証-

北村 智紀

中里 宗敬 青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授

米澤 康博 早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授

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投資家が損失回避的でメンタルアカウンティングがある場合に、投資の評価頻度が高まると株式への配分が減少することを説明する行動ファイナンス理論の一つに「近視眼的損失回避(MLA)」がある。本稿では、情報の見せ方である「フレーミング効果」についても、投資家に過去の結果情報を提示するよりも、将来に関する情報を提示した方が、この効果が弱まる可能性を、ファイナンス実験を利用して検証した。
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実験の結果は、過去の研究とは異なり、投資の評価頻度が高い投資家の方が、低い投資家と比較して、リスクのあるくじの平均購入枚数が高まった。投資家に示す情報に関しては、過去の情報を提示するよりも、将来に関する情報を提示した方が、くじの購入枚数が増加することが確認された。
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投資の評価頻度に関して、過去の研究と異なる結果になった理由は、意思決定の頻度の違い、くじの購入方法、投資家の購入戦略、実験上の損益の設定方法や試行回数が影響したものと考えられる。

(2009年05月25日「ニッセイ基礎研所報」)

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