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加入者200万人、資産残高2兆円に達した確定拠出年金制度は、いよいよ企業年金の核の1つとなりつつある。そこで問題になるのは、加入者間のパフォーマンス格差である。平成17年度では、国内株中心に40%以上のリターンをあげた加入者と元本確保型で運用した結果、リターンが1%に満たない加入者との間で対照的な結果となった。
パフォーマンス格差が続くと、引退時には年金額に大きな差が生じる。また、多くの制度では、2~3%の利回りを想定して掛金額を決めているので、1%程度のリターンでは引退時点の積立額が予定よりも2、3割小さくなってしまう。
企業年金である以上、事業主はこの問題を看過できない。第1に年金のような長期投資では、特に若い間にリスク許容度が高まる点を、投資教育を通じて徹底すべきである。第2にデフォルト・ファンドとして、引退時点まで投資し続けた場合に想定利回りを達成する確率が最も高い資産配分の商品を用意すべきである。
現行法では投資教育は事業主の努力義務にすぎない。が、今後は、長期運用やリスク分散の考え方を伝え、加入者に最適な投資行動をとらせることが、確定拠出年金をさらに発展させる鍵となろう。
(2006年09月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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