- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 年金 >
- 企業年金 >
- DCの加入者間格差と事業主の責任
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
加入者200万人、資産残高2兆円に達した確定拠出年金制度は、いよいよ企業年金の核の1つとなりつつある。そこで問題になるのは、加入者間のパフォーマンス格差である。平成17年度では、国内株中心に40%以上のリターンをあげた加入者と元本確保型で運用した結果、リターンが1%に満たない加入者との間で対照的な結果となった。
パフォーマンス格差が続くと、引退時には年金額に大きな差が生じる。また、多くの制度では、2~3%の利回りを想定して掛金額を決めているので、1%程度のリターンでは引退時点の積立額が予定よりも2、3割小さくなってしまう。
企業年金である以上、事業主はこの問題を看過できない。第1に年金のような長期投資では、特に若い間にリスク許容度が高まる点を、投資教育を通じて徹底すべきである。第2にデフォルト・ファンドとして、引退時点まで投資し続けた場合に想定利回りを達成する確率が最も高い資産配分の商品を用意すべきである。
現行法では投資教育は事業主の努力義務にすぎない。が、今後は、長期運用やリスク分散の考え方を伝え、加入者に最適な投資行動をとらせることが、確定拠出年金をさらに発展させる鍵となろう。
(2006年09月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年10月24日
米連邦政府閉鎖と代替指標の動向-代替指標は労働市場減速とインフレ継続を示唆、FRBは政府統計を欠く中で難しい判断を迫られる -
2025年10月24日
企業年金の改定についての技術的なアドバイス(欧州)-EIOPAから欧州委員会への回答 -
2025年10月24日
消費者物価(全国25年9月)-コアCPI上昇率は拡大したが、先行きは鈍化へ -
2025年10月24日
保険業界が注目する“やせ薬”?-GLP-1は死亡率改善効果をもたらすのか -
2025年10月23日
御社のブランドは澄んでますか?-ブランド透明性が生みだす信頼とサステナビリティ開示のあり方(1)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【DCの加入者間格差と事業主の責任】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
DCの加入者間格差と事業主の責任のレポート Topへ










