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参院選が終了したものの、今後の年金改革の道筋には相変わらず不透明感が漂っている。荒れに荒れた年金国会では、年金制度改革の中身はほとんど議論されず、国会議員未納問題や社会保険庁による経費支出の不明朗さばかりが強調され、野党も年金法廃案の主張に終始した。
しかし結局、この10月から保険料率は毎年0.354%引き上げられ、来年4月には給付がマクロスライドによって引き下げられる仕組みが作動し始める。一方、出生率が1.29にまで下がり、保険料支払い忌避が進む中で、厚生労働省の収支見通しには誰しも懐疑的で、不安と不信はまだまだ続いて行かざるをえない。
成立した年金法が、国民の大多数の支持を得ていないことは選挙結果と、その後の世論調査からも明らかである。しかし、野党案も具体性に欠けており、一元化と年金手続きの簡素化という主張は正しくとも、周到な準備と議論の積み重ねや、制度設計の緻密さで見劣りがする。役所の協力不足を非難する前に、できることはまだあるはずである。年金を政争の具にせず、与野党が協議して、本当に安心できる持続可能なプランを提示することを望みたい。
(2004年08月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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