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株式のリスクプレミアムについて大論争があった米国の企業年金でも、今後10年程度のリターンは6%~8%と、12%~15%といった、これまでの強気の見通しからは一段下がった水準に落ち着きつつあるようである。しかし、株式の期待リターンが下がったといっても、年金の運用を止めるわけにはいかない。
むしろ、新たなリターンの源泉を探しに挑戦しようというのが現状である。その一つが、資産クラスの多様化である。エマージング市場、プライベート・エクイティ、不動産、ヘッジ・ファンドといったオルタナティブ投資(代替投資)への関心は高い。もう一つは、銘柄選択や投資タイミングについてのマネージャー・スキルにより、プラスアルファを得ようという動きである。
もちろん、これらの投資には新たなリスクを伴う。とはいえ、従来の資産配分中心の運用により管理されていたベータ・リスクとは、異なるリスクである以上、分散することもできるという。
経済成長率のコンセンサス予想からみて、長期的に株式からのリターンに多くを期待できないのは、わが国も同じである。年金基金の維持・発展のためには、リスクをコントロールしつつ、新たなリターンの源泉を探る試みが欠かせないのではないか。
(2004年07月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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