- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 不動産 >
- 土地・住宅 >
- 住宅市場に2010年問題はあるか -団塊世代の住行動と定年退職の影響を読む
2004年06月21日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■introduction
昨年、団塊世代退職がオフィス市場に大きな影響を与える、という我々の悲観的な予測が「2010年問題」として話題になったが、住宅市場にも「2010年問題」はあるのだろうか。
現在、大都市圏に住む団塊世代の多くは、地方で生まれて20歳代までに大都市圏に移り住んでいるが、このような地方出身者は大都市圏に住む団塊世代の半数近くを占めるとみられる。彼らはすでに30年以上大都市圏に住み・働き続けていることから、定住志向は強く、親の介護など特別な事情がない限り、生活基盤があり住み慣れた場所からあえて故郷に戻る動機は乏しいであろう。出身が農家で次男や三男の場合は、地元に戻って家督を継ぐ必要もない。また、大都市は地方に比べ、医療施設の選択肢が多く、公共交通も発達していることから、高齢期でも住みやすいと考える世帯は多いとみられる。
このような理由から、地方出身者の多くは、定年退職後もUターンせず大都市圏内に留まる可能性が高い。一方、大都市圏出身者が、地縁も血縁もない地方に移住するケースも非常に少ないはずである。
昨年、団塊世代退職がオフィス市場に大きな影響を与える、という我々の悲観的な予測が「2010年問題」として話題になったが、住宅市場にも「2010年問題」はあるのだろうか。
現在、大都市圏に住む団塊世代の多くは、地方で生まれて20歳代までに大都市圏に移り住んでいるが、このような地方出身者は大都市圏に住む団塊世代の半数近くを占めるとみられる。彼らはすでに30年以上大都市圏に住み・働き続けていることから、定住志向は強く、親の介護など特別な事情がない限り、生活基盤があり住み慣れた場所からあえて故郷に戻る動機は乏しいであろう。出身が農家で次男や三男の場合は、地元に戻って家督を継ぐ必要もない。また、大都市は地方に比べ、医療施設の選択肢が多く、公共交通も発達していることから、高齢期でも住みやすいと考える世帯は多いとみられる。
このような理由から、地方出身者の多くは、定年退職後もUターンせず大都市圏内に留まる可能性が高い。一方、大都市圏出身者が、地縁も血縁もない地方に移住するケースも非常に少ないはずである。
(2004年06月21日「不動産投資レポート」)
このレポートの関連カテゴリ
松村 徹
松村 徹のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2016/01/08 | 猫と暮らせる理想の住まいを考える | 松村 徹 | 基礎研マンスリー |
2015/11/17 | 猫と暮らせる住まいを考える-(その3)最後に問われる飼い主の愛情 | 松村 徹 | 研究員の眼 |
2015/11/09 | 猫と暮らせる住まいを考える-(その2)障害は大家さんの誤解 | 松村 徹 | 研究員の眼 |
2015/11/04 | 猫と暮らせる住まいを考える-(その1)猫を忌避する賃貸住宅 | 松村 徹 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年05月09日
下落時の分配金の是非~2025年4月の投信動向~ -
2025年05月09日
グローバル株式市場動向(2025年4月)-トランプ関税への各国の対応が注目される -
2025年05月09日
英国金融政策(5月MPC公表)-トランプ関税が利下げを後押し -
2025年05月09日
官民連携「EVカーシェア」の現状-GXと地方創生の交差点で進むモビリティ変革の芽 -
2025年05月09日
ESGからサステナビリティへ~ESGは目的達成のための手段である~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【住宅市場に2010年問題はあるか -団塊世代の住行動と定年退職の影響を読む】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
住宅市場に2010年問題はあるか -団塊世代の住行動と定年退職の影響を読むのレポート Topへ