1999年09月01日

退職給付の抜本改革は「真夏の夜の夢」か

このレポートの関連カテゴリ

文字サイズ

このほど、確定拠出型を含め、企業年金基本法について、霞が関で続いていた熱心な省庁間協議の結論が明らかになった。
第1に2001年の厚生労働省発足を契機に、従来の入り組んでいる退職給付(一時金・年金)税制をすっきりさせ、制度間で統一的な老後貯蓄に関する税制をつくるという。
第2に確定給付型の退職給付に対して、2001年度内に、解散時債務(責任準備金)以上の資産積み立てを義務づける。ただし、困難な場合には、労使の合意による、給付水準切下げを認める。
第3に業績に応じて企業負担が変えられる制度(利益分配や株式給付など)を他の確定拠出型同様に税制優遇する。仮に、株式給付が既往制度における給付切下げの代償なら、一種の債務株式交換(デット・エクイティ・スワップ)である。
以上は全て真夏の夜の夢である。が、退職金・年金問題の根本的な解決には、このくらいの荒療治を受ける覚悟が必要だろう。

Xでシェアする Facebookでシェアする

このレポートの関連カテゴリ

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【退職給付の抜本改革は「真夏の夜の夢」か】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

退職給付の抜本改革は「真夏の夜の夢」かのレポート Topへ