- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 年金 >
- 企業年金 >
- 年金改革論議に欠けている視点
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
わが国の年金改革に関して、「年金給付の適正水準」という最も重要な検討点の一つに対する、実態を踏まえた議論が、あまりにも少ない。例えば,年金審議会では、「年金は初任給程度で良いのでは」といった観念的議論もあるようである。
一方、欧米では、老後生活のために最低限必要な生活資金の水準について、経済学的な探究が続けられており、マクギルの「企業年金の基礎(第7版)」でも、ナショナル・ミニマム(絶対基準)の議論が紹介されている。
今回の厚生省案(5つの選択肢)でも、国民が最も気にしている、どの程度の生活水準を老後維持できるのかという点について、分かりやすい説明がなく、不満の残る点である。
就労中の可処分所得(所得マイナス貯蓄)と引退後の所得(公的年金や私的年金等)がどういう関係になるのかといった基礎的データ(相対基準による「代替率」)の収集、分析による経済学的な議論を抜きに、改革の方向も見えてこないだろう。
(1998年05月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年05月09日
ESGからサステナビリティへ~ESGは目的達成のための手段である~ -
2025年05月09日
減速に拍車がかかる米労働市場-足元は堅調維持もトランプ政権の高関税政策が継続する場合に大幅な減速は不可避 -
2025年05月09日
東京オフィス市場は賃料上昇率が拡大。J-REIT市場は需給改善で反発-不動産クォータリー・レビュー2025年第1四半期 -
2025年05月09日
なぜ韓国の政治家は“悲劇”を恐れず、最高権力を目指すのか? -
2025年05月09日
Investors Trading Trends in Japanese Stock Market:An Analysis for April 2025
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【年金改革論議に欠けている視点】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
年金改革論議に欠けている視点のレポート Topへ