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わが国の年金改革に関して、「年金給付の適正水準」という最も重要な検討点の一つに対する、実態を踏まえた議論が、あまりにも少ない。例えば,年金審議会では、「年金は初任給程度で良いのでは」といった観念的議論もあるようである。
一方、欧米では、老後生活のために最低限必要な生活資金の水準について、経済学的な探究が続けられており、マクギルの「企業年金の基礎(第7版)」でも、ナショナル・ミニマム(絶対基準)の議論が紹介されている。
今回の厚生省案(5つの選択肢)でも、国民が最も気にしている、どの程度の生活水準を老後維持できるのかという点について、分かりやすい説明がなく、不満の残る点である。
就労中の可処分所得(所得マイナス貯蓄)と引退後の所得(公的年金や私的年金等)がどういう関係になるのかといった基礎的データ(相対基準による「代替率」)の収集、分析による経済学的な議論を抜きに、改革の方向も見えてこないだろう。
(1998年05月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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