2002年06月01日

ペイオフ解禁がもたらした資金シフトと今後の課題

経済研究部 専務理事   櫨(はじ) 浩一
経済研究部 チーフエコノミスト   矢嶋 康次

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  1. ペイオフ解禁に対する国民の意識は、金融広報中央委員会「金融に関する消費者アンケート調査」が示すように、制度に対する認知が広く、正しく行われていたとは言えなかった。しかしペイオフの実際の対象者となる大口預金者に限ってみれば、ペイオフ解禁に向け確実に行動を起こしていた。
     
  2. 20002年4月からペイオフの対象となる「定期性預金」はその大半が、来年4月まで解禁に猶予がもたれている普通預金などの「決済性預金」にシフトした。また預金者の金融機関選別の動きも強まっており、都銀など一般的に信用力の高いと思われる銀行への資金シフトも発生している。
     
  3. 来年解禁の「決済性預金」のペイオフ実施については、企業活動の血液である「決済」を止めずに銀行破綻処理を行えることが重要となる。そのためには「早期処理」が行われ、資産劣化を最小限に抑え、決済が継続される体制整備が欠かせない。金融当局のモニタリングの強化や、名寄せなど破綻前の事前準備など早急に対応しなくてはならない問題がある。

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