2007年04月03日

山椒は小粒でも

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企業年金連合会の資産運用実態調査(2005年度)によると、ヘッジファンドを採用している企業年金が4割にのぼるという。ヘッジファンドはすっかり定着した感がある。
気になるのは、多くの企業年金が「債券代替」の位置づけで導入していることである。確かに債券のようにリスクを抑えたい気持ちはわかる。その一方でポートフォリオ全体の10%、15%を組み入れ、リスク・リターンに影響を与えるようにしている例もある。考えてみると、低リスクのファンドの10%組み入れと、3倍のリスクのファンドを3.3%組み入れるのでは、ほぼ同じ期待リターンのはずである。
しかし、後者であれば、伝統的資産であれ、他の代替資産であれ、他の資産の組み入れ比率が高くなるので、ポートフォリオ全体のリスク分散が容易になる。最近、年金基金の理事会やスポンサー企業のヘッジファンドへのアレルギーは小さくなっている。株価下落や金利上昇への抵抗力を確認しておくのに止まらず、小粒でもピリッと辛い山椒の味を薄めてしまう、「債券代替」の位置づけについても、再考の時期ではないか。

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