- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 不動産 >
- 不動産市場・不動産市況 >
- 「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向【2023年】(2)~コロナ禍以降、「駅近」志向が高まる一方、「住居の広さ」と「中心部までのアクセス」への評価は揺り戻しの動きも
「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向【2023年】(2)~コロナ禍以降、「駅近」志向が高まる一方、「住居の広さ」と「中心部までのアクセス」への評価は揺り戻しの動きも

金融研究部 主任研究員 吉田 資
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 本稿では、2回に分けて、東京23区の新築マンション市場の動向を概観する。第2回目の今回のレポートでは、新築マンション価格の決定構造がコロナ禍を経て、どのように変化したかについて確認したのち、新築マンション市場の今後の方向性について考察する。
- 新築マンション価格の決定構造を分析した結果、コロナ禍以降、「駅近」志向が強まっていること、テレワークの普及等の影響を受けて「広さ」のプライオリティ低下と「中心部へのアクセス」の評価の高まりに揺り戻しの動きがみられることが、確認できた。
- 新築マンション市場の今後の方向性について、供給面に関しては、着工戸数の減少等を勘案すると、東京23区の新規供給戸数が大幅に増加する可能性は低いと考えられる。一方、需要面に関して、金融政策正常化に伴う住宅ローン金利への影響が懸念されている。また、新築マンション需要を支えてきた30代および40代の人口について、30代人口が概ね横這いで推移する一方、これまで大幅に増加していた40代人口は減少に転じる見通しである。今後の金利動向や人口動態次第では、需給環境が悪化に転じる可能性があり、注意する必要がある。
- コロナ禍を契機に、在宅勤務を取り入れた働き方が定着したことで、新築マンションに求める機能や評価目線に変化が生じている。マンション開発事業者は、市場環境を注視しながら、消費者ニーズの変化に即した事業方針の策定が求められることになりそうだ。
■目次
1.はじめに
2.新築マンション価格の決定構造の変遷
2-1.「最寄り駅までのアクセス時間」に対する評価
~「駅近」志向がさらに高まる一方、「バス便」に対する評価見直しも
2-2.「住居の広さ」に対する評価
~「広さ」のプライオリティ低下に揺り戻しの動き
2-3.「都市の中心部までのアクセス時間」に対する評価
~アクセス時間の評価向上に揺り戻しの動き
3.新築マンション市場の今後の方向性
3-1.住宅ローン金利動向
3-2.年代別にみた人口見通し
3-3.分譲マンション着工の状況
4.おわりに
(2024年05月09日「不動産投資レポート」)
このレポートの関連カテゴリ
関連レポート
- 「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向【2023年】(1)~東京23区の新築マンション価格は前年比9%上昇。資産性を重視する傾向が強まり、都心は+13%上昇、タワーマンションは+12%上昇
- 「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向(1)~良好な需給環境と低金利を背景に、東京23区の新築マンション価格は過去10年間で+69%上昇
- 「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向(2)~都心は過去10年で83%上昇、価格に先行性も。タワーマンションは69%上昇。東京23区全体並みの伸びに留まる。
- 「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向(3)~アベノミクス以降、「駅近」の評価が上昇、「広さ」のプライオリティが低下。「中心部までのアクセス」はコロナ禍を機に評価が高まる~
- 「新築マンション価格指数」でみる関西圏のマンション市場動向(1)~関西圏の新築マンション価格は過去10年で59%上昇。大阪都心は82%上昇し、東京都心と同水準の伸び。
- 「新築マンション価格指数」でみる関西圏のマンション市場動向(2)~タワーマンション価格は2005年対比で約2倍に上昇、足もとでは頭打ち感も。「駅近」の評価が高まる一方、「中心部までのアクセス」の評価はコロナ禍を契機に低下

03-3512-1861
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
吉田 資のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/17 | 「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向【2024年】~都心は価格上昇が加速。一方、下期にかけて南西部は伸び率鈍化、北部と東部は下落に転じる。 | 吉田 資 | 不動産投資レポート |
2025/04/08 | 良好な景況感が継続。先行きも楽観的な見方が強まる。-第21回不動産市況アンケート結果 | 吉田 資 | 基礎研マンスリー |
2025/03/31 | 「横浜オフィス市場」の現況と見通し(2025年) | 吉田 資 | 不動産投資レポート |
2025/03/25 | 「大阪オフィス市場」の現況と見通し(2025年) | 吉田 資 | 不動産投資レポート |
新着記事
-
2025年05月02日
金利がある世界での資本コスト -
2025年05月02日
保険型投資商品等の利回りは、良好だったが(~2023 欧州)-4年通算ではインフレ率より低い。(EIOPAの報告書の紹介) -
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向【2023年】(2)~コロナ禍以降、「駅近」志向が高まる一方、「住居の広さ」と「中心部までのアクセス」への評価は揺り戻しの動きも】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向【2023年】(2)~コロナ禍以降、「駅近」志向が高まる一方、「住居の広さ」と「中心部までのアクセス」への評価は揺り戻しの動きものレポート Topへ