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気候指数 2024年データへの更新-日本の気候の極端さは1971年以降の最高水準を大幅に更新

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
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![図表7-1. 指数推移 (5年平均) [北陸]](https://www.nli-research.co.jp/files/user/report/nlri_report/2025/report250527-2-7-1-655x314.jpg?v=1748323785)
北陸の合成指数は、長らく0.5程度で推移してきたが、2020代以降やや上昇し、2024年秋季には1.02(前年秋季は0.84)に高まっている。なかでも、高温指数は2024年秋季に急騰して2.23となっており、合成指数の上昇要因となっている。また、湿度指数は長らくマイナスで推移していたが、上昇して2020年代にはプラスとなっている。このことも、合成指数の上昇の要因となっている。なお海面水位指数は、1996年に観測が開始された佐渡と能登の影響により、同年前後の変動が大きい。
[各月の高温指数・海面水位指数]
![図表7-2. 各月の高温指数・海面水位指数 (5年ごとの平均) [北陸]](https://www.nli-research.co.jp/files/user/report/nlri_report/2025/report250527-2-7-2-655x319.jpg?v=1748323785)
高温指数は、2010-14年には7月から10月、2015-19年には3月や5月や7月に高かった。2020-24年は3月から11月にかけて高い水準が続いており、特に3月や8月や9月に非常に高かったことがうかがえる。近年、春先から晩秋まで高温の日が増えているものとみられる。
海面水位指数は、月ごとの違いはそれほど大きくない。概して、2020-24年は2015-19年よりも高い水準で推移している。直近では、通年で海面水位は上昇傾向にあるものとみられる。
![図表8-1. 指数推移 (5年平均) [東海]](https://www.nli-research.co.jp/files/user/report/nlri_report/2025/report250527-2-8-1-655x321.jpg?v=1748323785)
東海の合成指数は、2000年代までゼロ近辺で推移してきたが、その後上昇して、2024年秋季には1.49(前年秋季は1.32)となっている。その背景として、海面水位指数と高温指数の上昇が挙げられる。海面水位は、石廊崎、清水港、御前崎といった駿河湾沿いの観測地点で継続的な上昇が見られる。高温指数は、2024年秋季に2.53に急騰しており、なお上昇が続いている。人口の集中する中京圏で、気候変動の高まりが鮮明になりつつある。
[各月の高温指数・海面水位指数]
![図表8-2. 各月の高温指数・海面水位指数 (5年ごとの平均) [東海]](https://www.nli-research.co.jp/files/user/report/nlri_report/2025/report250527-2-8-2-655x319.jpg?v=1748323785)
高温指数は、2010-14年には3月や6月から10月、2015-19年には5月や8月に高かった。2020-24年は3月から11月にかけて高い水準が続いており、特に3月や8月や9月に非常に高かったことがうかがえる。近年、春先から晩秋まで高温の日が増えているものとみられる。
海面水位指数は、月ごとの違いはそれほど大きくない。概して、2020-24年は2015-19年や2010-14年よりも高い水準で推移している。近年、通年で海面水位は上昇傾向にあるものとみられる。
![図表9-1. 指数推移 (5年平均) [近畿]](https://www.nli-research.co.jp/files/user/report/nlri_report/2025/report250527-2-9-1-655x318.jpg?v=1748324170)
近畿の合成指数は、上昇基調にあり、2024年秋季には1.44(前年秋季は1.30)となっている。特に、海面水位指数の上昇が大きい。舞鶴、大阪、神戸、洲本、串本、浦神といった日本海側、大阪湾沿岸、太平洋側の各観測地点で上昇している。また、高温指数は、2024年秋季には急騰して2.27となっている。人口の集中する近畿圏で、気候変動の高まりが顕著となりつつある。
[各月の高温指数・海面水位指数]
![図表9-2. 各月の高温指数・海面水位指数 (5年ごとの平均) [近畿]](https://www.nli-research.co.jp/files/user/report/nlri_report/2025/report250527-2-9-2-655x323.jpg?v=1748324170)
高温指数は、2010-14年には3月や6月から10月、2015-19年には5月や8月に高かった。2020-24年は3月や6月から11月にかけて高い水準が続いており、特に3月や8月や9月に非常に高かったことがうかがえる。近年、春先から晩秋まで高温の日が増えているものとみられる。
海面水位指数は、月ごとの違いはそれほど大きくない。概して、2020-24年は2015-19年や2010-14年よりも高い水準で推移している。近年、通年で海面水位は上昇傾向にあるものとみられる。
![図表10-1. 指数推移 (5年平均) [中国]](https://www.nli-research.co.jp/files/user/report/nlri_report/2025/report250527-2-10-1-655x313.jpg?v=1748324170)
中国の合成指数は、2010年代以降上昇を続けており、2024年秋季には1.63(前年秋季は1.45)となっている。特に、海面水位指数が2010年代以降に大幅に上昇して4に迫る水準となっている。日本海側の境、浜田、西郷と、瀬戸内海沿岸の宇野の観測地点の、いずれでも上昇している。また、高温指数も2024年秋季に急騰して2.32となっている。これらが、合成指数の上昇につながっている。
[各月の高温指数・海面水位指数]
![図表10-2. 各月の高温指数・海面水位指数 (5年ごとの平均) [中国]](https://www.nli-research.co.jp/files/user/report/nlri_report/2025/report250527-2-10-2-655x321.jpg?v=1748324170)
高温指数は、2010-14年には3月や8月から9月、2015-19年には3月から5月や7月から8月に高かった。2020-24年は3月や6月から11月にかけて高い水準が続いており、特に3月や8月や9月に非常に高かったことがうかがえる。近年、春先から晩秋まで高温の日が増えているものとみられる。
海面水位指数は、2020-24年は3月や5月や6月に高かった。概して、2020-24年は2015-19年や2010-14年よりも高い水準で推移している。近年、通年で海面水位は上昇傾向にあるものとみられる。
(2025年05月27日「基礎研レポート」)
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保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
篠原 拓也のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/05/27 | 気候指数 2024年データへの更新-日本の気候の極端さは1971年以降の最高水準を大幅に更新 | 篠原 拓也 | 基礎研レポート |
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