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- ロシアの物価状況(24年11月)-足もとのインフレ圧力はかなり強い
2024年12月12日
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1.結果の概要:前年比は8.9%に再び上昇
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2 生鮮食品など季節的要因による影響を受ける品目や管理品目を除いた指数。
2.結果の詳細:足もと、インフレ圧力はかなり強い
11月のロシアのインフレ率は前年比で8.88%となり、10月(8.54%)までの3か月連続での低下から反発した。なお、11月以降は米国がロシアの金融機関への制裁を強化したこともあり、ルーブル安が進行、インフレ圧力が強まっている。
インフレ率を大分類別に見ると、11月の前年比伸び率は食料品が9.85%(前月:9.03%)、財(非食料品)が5.71%(前月:5.74%)、サービスが11.41%(前月:11.32%)となり、食料インフレが全体の伸びを押し上げた。また、伸び率としてはサービスインフレの高止まりが続いている。
前年比寄与度では食料品が3.8%ポイント程度、財(非食料品)が1.9%ポイント程度、サービスが3.2%ポイント程度だった(図表1)。
11月の前月比伸び率は、総合指数で1.43%、コア指数で1.10%となった。前月(総合指数0.75%、コア指数0.81%)から加速し、総合指数・コア指数ともにコロナ禍前の標準的な上昇率を上回った(2018年の前月比伸び率は平均で総合指数が約0.35%、コア指数が約0.30%、図表3)。前月比の伸び率は、ロシアのウクライナ侵攻後では、侵攻直後の高騰を除いて最高だった。なお、前月比伸び率を大分類で見ると食料品が2.33%(前月:1.23%)、財(非食料品)が0.51%(前月:0.68%)、サービスが1.31%(前月:0.21%)となった。
別途、ロシア連邦統計局が公表している週次のインフレ率(消費者物価上昇率)を見ると、前週比上昇では最新の12月9日時点の前週比で0.48%となり、インフレ圧力はかなり強くなっている(図表4)。
インフレ率を大分類別に見ると、11月の前年比伸び率は食料品が9.85%(前月:9.03%)、財(非食料品)が5.71%(前月:5.74%)、サービスが11.41%(前月:11.32%)となり、食料インフレが全体の伸びを押し上げた。また、伸び率としてはサービスインフレの高止まりが続いている。
前年比寄与度では食料品が3.8%ポイント程度、財(非食料品)が1.9%ポイント程度、サービスが3.2%ポイント程度だった(図表1)。
11月の前月比伸び率は、総合指数で1.43%、コア指数で1.10%となった。前月(総合指数0.75%、コア指数0.81%)から加速し、総合指数・コア指数ともにコロナ禍前の標準的な上昇率を上回った(2018年の前月比伸び率は平均で総合指数が約0.35%、コア指数が約0.30%、図表3)。前月比の伸び率は、ロシアのウクライナ侵攻後では、侵攻直後の高騰を除いて最高だった。なお、前月比伸び率を大分類で見ると食料品が2.33%(前月:1.23%)、財(非食料品)が0.51%(前月:0.68%)、サービスが1.31%(前月:0.21%)となった。
別途、ロシア連邦統計局が公表している週次のインフレ率(消費者物価上昇率)を見ると、前週比上昇では最新の12月9日時点の前週比で0.48%となり、インフレ圧力はかなり強くなっている(図表4)。
3 大分類である食料品、財(非食料品)、サービスをそれぞれ細目別に分類したもの(中分類)のうち、統計局のウェブサイトで公表しているものを記載。
本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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