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- ユーロ圏GDP(2025年7-9月期)-前期比プラス成長を維持し、成長率は加速
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                        2025年10月31日
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1.結果の概要:前期比0.2%と成長率は加速
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想も同様
2.結果の詳細:関税引き上げの駆け込み後もプラス成長が続く
                                                                        ユーロ圏の25年7-9月期の成長率は前期比0.2%(年率換算0.9%)となった。トランプ関税引き上げ前の駆け込み生産・輸出で加速した1-3月期(前期比0.6%、年率2.3%)、その剥落で減速した4-6月期(前期比0.1%、年率0.5%)を経験した後、成長率は加速した。実質GDPの水準はエネルギー価格が高騰した22年の夏(22年7-9月期)対比では2.5%となった。
経済規模の大きい4か国の伸び率を見ると、前期比ではドイツ0.0%(4-6月期▲0.2%)、フランス0.5%(同0.3%)、イタリア▲0.0%(同▲0.1%)、スペイン0.6%(同0.8%)となった(図表3横軸)。ドイツ・イタリアは前期比でおおむね横ばいとなったが、フランスとスペインが高成長を記録した。また、1-3月期に高成長を記録したアイルランドは▲0.1%(4-6月期0.2%)と若干ではあるが、マイナス成長となった。前期比伸び率について、ドイツ統計局は設備投資がプラス成長だったが輸出がマイナス成長となったと指摘、イタリア統計局は供給面では農林水産がプラス、工業がややマイナス、サービス業が横ばいで、需要面では内需の寄与がマイナスとなる一方で純輸出の寄与がプラスだったと指摘している(フランス・スペインは後述)。エネルギー危機対比での実質GDPの水準はフィンランド、ドイツ、オーストリア、エストニアがマイナス圏にある(図表4)。
            経済規模の大きい4か国の伸び率を見ると、前期比ではドイツ0.0%(4-6月期▲0.2%)、フランス0.5%(同0.3%)、イタリア▲0.0%(同▲0.1%)、スペイン0.6%(同0.8%)となった(図表3横軸)。ドイツ・イタリアは前期比でおおむね横ばいとなったが、フランスとスペインが高成長を記録した。また、1-3月期に高成長を記録したアイルランドは▲0.1%(4-6月期0.2%)と若干ではあるが、マイナス成長となった。前期比伸び率について、ドイツ統計局は設備投資がプラス成長だったが輸出がマイナス成長となったと指摘、イタリア統計局は供給面では農林水産がプラス、工業がややマイナス、サービス業が横ばいで、需要面では内需の寄与がマイナスとなる一方で純輸出の寄与がプラスだったと指摘している(フランス・スペインは後述)。エネルギー危機対比での実質GDPの水準はフィンランド、ドイツ、オーストリア、エストニアがマイナス圏にある(図表4)。
                                                                        次にフランスとスペインは各国統計局(フランス国立統計経済研究所(INSEE)、スペイン統計局(INE))がGDPの詳細を公表しているので、以下で確認する。
フランスの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費0.1%(前期0.1%)、政府消費0.5%(前期0.5%)、投資0.4%(前期0.0%)、輸出2.2%(前期0.3%)、輸入▲0.4%(前期1.4%)となった(図表5)。在庫変動の前期比寄与度は▲0.6%ポイント(前回0.5%ポイント)、純輸出の前期比寄与度は0.9%ポイント(前回▲0.4%ポイント)であり、7-9月期は輸出の加速が成長率を押し上げた。産業別の付加価値伸び率は、第一次産業が2.4%(前期3.5%)、工業が1.4%(前期▲0.6%)、建設業が▲0.1%(前期▲0.1%)、市場型サービス産業が0.5%(前期0.5%)、非市場型サービスが0.2%(前期0.1%)だった。
            フランスの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費0.1%(前期0.1%)、政府消費0.5%(前期0.5%)、投資0.4%(前期0.0%)、輸出2.2%(前期0.3%)、輸入▲0.4%(前期1.4%)となった(図表5)。在庫変動の前期比寄与度は▲0.6%ポイント(前回0.5%ポイント)、純輸出の前期比寄与度は0.9%ポイント(前回▲0.4%ポイント)であり、7-9月期は輸出の加速が成長率を押し上げた。産業別の付加価値伸び率は、第一次産業が2.4%(前期3.5%)、工業が1.4%(前期▲0.6%)、建設業が▲0.1%(前期▲0.1%)、市場型サービス産業が0.5%(前期0.5%)、非市場型サービスが0.2%(前期0.1%)だった。
                                            スペインの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費1.2%(前期0.7%)、政府消費1.1%(前期0.0%)、投資1.7%(前期0.7%)、輸出▲0.6%(前期1.3%)、輸入1.1%(前期1.6%)となり、主要内需(個人消費、投資)がさらに加速し、高い伸び率を記録している(図表6)。産業別には、農林水産業が▲0.4%(前期▲6.6%)、工業が0.5%(前期0.7%)、建設業が0.8%(前期2.4%)、サービス業が0.8%(前期1.0%)となり、農林水産業はマイナス成長が続いているが、その他の産業は高成長を維持している。
                                    
            (2025年10月31日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
                            - 【職歴】
 2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
 2009年 日本経済研究センターへ派遣
 2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
 2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
 2014年 同、米国経済担当
 2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
 2020年 ニッセイ基礎研究所
 2023年より現職
 ・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
 アドバイザー(2024年4月~)
 【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
| 日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 | 
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