2024年06月26日

中国経済:景気指標の総点検(2024年夏季号)

経済研究部 主任研究員 三浦 祐介

文字サイズ

■要旨
 
  1. 2024年1~3月期の実質GDP成長率は、前年同期比+5.3%と、前期(23年10~12月期)の+5.2%から伸びが小幅に加速した。また、季節調整後の前期比も+1.6%と、前期(同+1.0%)から加速している。今年の成長率目標である「+5%前後」に対して、比較的好調な出だしとなった。もっとも、好調の主因は外需となっている。内需改善の度合いについては、5月にかけてまだら模様の状況が続いている。
     
  2. 実質GDP成長率(前期比)を予測するために作成している景気評価点について、〇(3カ月前に比べて上向き)の数は、24年1~3月期は、1月が5点、2月が3点、3月が5点と、23年末からやや上向いており、実質GDP成長率(前期比)は加速した。これに対して、24年4~6月期については、4・5月がそれぞれ3点、6点と、分岐点(5点)前後で推移している。実質GDP成長率(前期比)は横ばい推移か減速となることが予想される。
     
  3. 景気インデックス(鉱工業生産、サービス業生産、建築業PMIを合成加工して毎月の実質GDP成長率を推計したもの、下図)は、24年4~5月期で前年同期比+4.6%である。24年1~3月期の実質GDP成長率は前年同期比+5.3%であり、そこから減速となる。4~6月期の実質GDP成長率(前年同期比)は、6月の景気次第で振れるとは言え、同+4%台後半まで低下する可能性が高い。なお、公表予定日は、7月15日(月)となっている。
景気インデックス(月次GDP)

(2024年06月26日「Weekly エコノミスト・レター」)

Xでシェアする Facebookでシェアする

経済研究部   主任研究員

三浦 祐介 (みうら ゆうすけ)

研究・専門分野
中国経済

経歴
  • 【職歴】
     ・2006年:みずほ総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)入社
     ・2009年:同 アジア調査部中国室
     (2010~2011年:北京語言大学留学、2016~2018年:みずほ銀行(中国)有限公司出向)
     ・2020年:同 人事部
     ・2023年:ニッセイ基礎研究所入社
    【加入団体等】
     ・日本証券アナリスト協会 検定会員

週間アクセスランキング

ピックアップ

レポート紹介

【中国経済:景気指標の総点検(2024年夏季号)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

中国経済:景気指標の総点検(2024年夏季号)のレポート Topへ