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- 宿泊旅行統計調査2024年1月~延べ宿泊者数は5ヵ月連続でコロナ禍前の水準を上回る~
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1.外国人延べ宿泊者数は7ヵ月連続でコロナ禍前の水準を上回る
2024年1月の日本人延べ宿泊者数は3,601万人泊(12月:3,843万人泊)となり、前年同月比は7.7%(12月:▲6.7%)と4ヵ月ぶりにプラスとなり、2019年同月比は7.6%(12月:同1.3%)とコロナ禍前の水準を4ヵ月連続で上回った。
2024年1月1日に令和6年能登半島地震が発生し、石川県を中心に北陸地方全体に大きな被害がもたらされた。これにより被災地への旅行の取りやめが相次いだが、全体の延べ宿泊者数をみる限り、宿泊者数の落ち込みは見られなかった。
2023年の延べ宿泊者数全体に占める割合は富山県が0.7%、新潟県が1.9%、福井県が0.6%、石川県が1.5%となっている。2024年1月の地震発生以降、北陸4県の延べ宿泊者数は減少していることが予想される。2024年1月の都道府県別の延べ宿泊者数の実績は、2024年2月の延べ宿泊者数の速報公表時に併せて公表されるので、注目したい。
2024年1月の外国人延べ宿泊者数は1,187万人泊(12月:1,230万人泊)となり、2019年同月比は28.9%(12月:同34.0%)と伸び率は前月から縮小したが、7ヵ月連続でコロナ禍前の水準を上回った。
宿泊施設タイプ別客室稼働率をみると、旅館は29.7%、2019年同月差▲4.2%(12月:同0.0%)、リゾートホテルは47.0%、2019年同月差▲4.6%(12月:同▲1.9%)、ビジネスホテルは63.1%、2019年同月差▲3.2%(12月:同▲1.9%)、シティホテルは63.4%、2019年同月差▲5.7%(12月:同▲4.7%)、簡易宿所は20.6%、2019年同月差▲4.9%(12月:同▲7.6%)であった。2019年同月差は旅館で4ヵ月ぶりのマイナスとなり、それ以外のタイプの宿泊施設でもマイナス圏での推移が続いた。
2.日本人延べ宿泊者数はコロナ禍前と同程度で推移を続ける見通し
日本人延べ宿泊者数はコロナ禍前の水準を上回って推移しているものの、全国旅行支援の需要喚起効果が剥落したことで、前年比でみると2023年10月以降はマイナスでの推移が続いていた。2024年1月は4ヵ月ぶりにプラスとなったが、物価高による実質所得の低下とホテル代の高騰を背景に、日本人旅行者数は停滞が続くだろう。日本人延べ宿泊者数の先行きは、コロナ禍前と同程度で推移を続ける公算が大きい。
1 平日宿泊する人に対してクーポンを配布。3月10日まで。クーポン金額は1泊あたりの金額に応じて2000~4000円
3.外国人延べ宿泊者数は好調が続く見通し

中国人宿泊者数の回復にはまだ時間がかかる公算が大きいが、コロナ禍前に比べて為替レートが円安の水準にあることが追い風となって、外国人延べ宿泊者数は増加を続けるだろう。
3 2019年7~12月は日韓関係悪化のため訪日韓国人が大幅に減少していた
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2024年03月01日「経済・金融フラッシュ」)
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