2021年02月02日

ユーロ圏失業率(2020年12月)-底堅いが改善傾向には変化の兆しも

経済研究部 准主任研究員   高山 武士

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1.結果の概要:12月は横ばい

2月1日、欧州委員会統計局(Eurostat)はユーロ圏の失業率を公表し、結果は以下の通りとなった。
 

【ユーロ圏19か国失業率(2020年12月、季節調整値)】
失業率は8.3%、市場予想1(8.3%)と同じで、前月(8.3%)から横ばいとなった(図表1)
失業者は1360.9万人となり、前月(1378.1万人)から17.2万人減少した

(図表1)失業率と国別失業者数/(図表2)若年失業率と国別若年失業者数
 
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。

2.結果の詳細:改善傾向に変化の兆し

ユーロ圏の失業率は7月をピーク(8.7%)に4か月連続で低下していたが、12月は8.3%となり、11月(8.3%)から変わらなかった。市場予想も横ばい(8.3%)が予想されていた。

一方、12月の若年失業率については18.5%と、11月(18.1%)から悪化し、2か月連続の上昇となった(図表2)。ただし、若年失業率も7月のピーク(18.8%)よりは低い状況にとどまる。

また、10月以前のデータの改定幅は全体の失業率は小幅な改定となったが、若年失業率の11月のデータは18.4%から18.1%に0.3%ポイントの改善されている。
(図表3)ユーロ圏(19か国)の失業者数変化 コロナ禍における景気後退の雇用状況を見ると、昨年4月に一気に失業者が増加した後、その後は改善傾向が続いており、世界金融危機時の長期にわたる失業者増とは異なる状況にある(図表3)が、12月は失業者が増加に転じている。
次に、国別に12月の失業率の変化を見ると、データが公表されている17か国中、8か国で失業率悪化、8か国で失業率改善となっており(残りは横ばい)、国によりバラツキがある。大国ではドイツ・フランス・スペインがそれぞれ0.1%ポイントの悪化、イタリアが0.2%ポイントの悪化だった。一方、改善が目立つ国としては、ポルトガルが0.6%ポイントと改善幅が大きい(図表4)。

若年層失業率では、9か国で悪化、4か国で改善しており、フランスは1.3%ポイントの悪化、スペインで0.7%ポイントの悪化と両国の悪化幅が比較的大きかった(図表5)。
(図表4)ユーロ圏の失業率(国別)/(図表5)ユーロ圏の若年失業率(国別)
詳細な月次データを公表しているイタリアとポルトガルについて確認すると、各国の公表値では、12月の雇用者数がいずれも前月から減少している。ポルトガルでは失業者数も減少しており、上述の通り失業率も改善しているが、労働参加率が再び悪化しているため、雇用環境が改善していると言い切れない面がある。イタリアの労働参加率も12月は大きく低下している(図表6・7)。

各国では11月以降に行動制限の再強化に踏み切っている。11月時点の雇用データは底堅さを見せたが、12月のデータからは改善基調に変化の兆しも見られる。行動制限が長期化すれば、今後の雇用環境がいっそう深刻化する可能性があり、先行きは予断を許さない状況と言える。
(図表6)イタリアの失業者・非労働力人口・労働参加率/(図表7)ポルトガルの失業者・非労働力人口・労働参加率
 
 

(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経済研究部   准主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

(2021年02月02日「経済・金融フラッシュ」)

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