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- 米国経済の見通し-25年以降の経済見通しはトランプ次期政権の政策が左右
2024年12月09日
■要旨
- 米国の24年7-9月期の実質GDP成長率(前期比年率)は+2.8%(前期:+3.0%)と前期から小幅に低下も堅調を維持。外需が成長率を押し下げた一方、個人消費が+3.5%(前期:+2.8%)と前期から伸びが加速。
- 個人消費は10月も前月比でプラスを維持しているほか、年末商戦も底堅い伸びが予想されている。一方、FRBが9月に利下げを開始する中、政策目標である労働市場は緩やかに減速、インフレは足元で低下が足踏み状態。
- 11月の大統領・議会選挙ではトランプ前大統領が再選し、議会は上下院で共和党が過半数を確保しトリプルレッドとなった。このため、トランプ氏が掲げる政策公約の実現可能性が上昇。25年以降の米経済は同氏の経済政策運営が大きく左右。
- 当研究所は税制改革が成長押し上げ要因となる一方、関税の引上げや移民の強制送還が成長押し下げ要因とみられ、政策全体では25年と26年の成長率をそれぞれ▲0.1%ポイント、▲0.4%ポイント押し下げると予想。この結果、成長率(前年比)は25年が+1.8%、26年が+1.5%となろう。
- 金融政策は関税と移民の強制送還に伴い25年後半から26年前半にかけてインフレが押上げられると予想しており、政策金利は12月の利下げ後、25年は前半に2回の利下げを実施した後、26年後半まで政策金利を据え置くと予想。
- 上記見通しのリスクはインフレ高進とトランプ氏の政策の予見可能性の低下。
■目次
1.経済概況・見通し
(経済概況)7-9月期の成長率は前期から小幅低下も堅調を維持
(経済見通し)
成長率(前年比)は24年見込が+2.7%、25年が+1.8%、25年が+1.5%を予想
2.実体経済の動向
(労働市場、個人消費)労働市場の減速が持続、個人消費は来年以降減速へ
(設備投資)長期金利の高止まりから回復は限定的。来年以降は次期政権の政策が左右
(住宅投資)住宅ローン金利の高止まりから住宅需要の回復は限定的
(政府支出)トランプ次期政権の政策実現で財政赤字は拡大
(貿易)25年以降の関税策と相手国からの制裁関税が外需の成長率寄与度を左右
3.物価・金融政策・長期金利の動向
(物価)関税引上げ、不法移民の強制送還がインフレを押上げ
(金融政策)25年前半に2回、26年後半に1回の利下げを予想
(長期金利)25年10-12月期平均が4.2%、25年10-12月期平均が同4.0%と予想
1.経済概況・見通し
(経済概況)7-9月期の成長率は前期から小幅低下も堅調を維持
(経済見通し)
成長率(前年比)は24年見込が+2.7%、25年が+1.8%、25年が+1.5%を予想
2.実体経済の動向
(労働市場、個人消費)労働市場の減速が持続、個人消費は来年以降減速へ
(設備投資)長期金利の高止まりから回復は限定的。来年以降は次期政権の政策が左右
(住宅投資)住宅ローン金利の高止まりから住宅需要の回復は限定的
(政府支出)トランプ次期政権の政策実現で財政赤字は拡大
(貿易)25年以降の関税策と相手国からの制裁関税が外需の成長率寄与度を左右
3.物価・金融政策・長期金利の動向
(物価)関税引上げ、不法移民の強制送還がインフレを押上げ
(金融政策)25年前半に2回、26年後半に1回の利下げを予想
(長期金利)25年10-12月期平均が4.2%、25年10-12月期平均が同4.0%と予想
(2024年12月09日「Weekly エコノミスト・レター」)
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![](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/27923_ext_01_0.jpg?v=1469523992)
03-3512-1824
経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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