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- 米個人所得・消費支出(23年5月)-PCE価格指数は総合、コアともに前月比、前年同月比の伸びが小幅鈍化
2023年07月03日
1.結果の概要:個人所得は市場予想を上回る一方、個人消費は市場予想を下回る
6月30日、米商務省の経済分析局(BEA)は5月の個人所得・消費支出統計を公表した。個人所得(名目値)は前月比+0.4%(前月改定値:+0.3%)と+0.4%から下方修正された前月、市場予想(Bloomberg集計の中央値、以下同様)の+0.3%を上回った(図表1)。個人消費支出は前月比+0.1%(前月改定値:+0.6%)と+0.8%から下方修正された前月、市場予想の+0.2%を下回った。価格変動の影響を除いた実質個人消費支出(前月比)は横這い(前月改定値:+0.2%)とこちらも+0.5%から下方修正された前月、市場予想の+0.1%を下回った(図表5)。貯蓄率1は4.6%(前月:4.3%)と前月から+0.3%ポイント上昇した。
価格指数は、総合指数が前月比+0.1%(前月:+0.4%)と前月を下回った一方、市場予想(+0.1%)に一致した。変動の大きい食料品・エネルギーを除いたコア指数も前月比+0.3%(前月:+0.4%)と前月を下回る一方、市場予想(+0.3%)に一致した(図表6)。前年同月比は総合指数が+3.8%(前月改定値:+4.3%)と+4.4%から下方修正された前月、市場予想(+4.7%)を下回った。コア指数は+4.6%(前月:+4.7%)とこちらも前月、市場予想(+4.7%)を下回った(図表7)。
1 可処分所得に対する貯蓄(可処分所得-個人支出)の比率。
価格指数は、総合指数が前月比+0.1%(前月:+0.4%)と前月を下回った一方、市場予想(+0.1%)に一致した。変動の大きい食料品・エネルギーを除いたコア指数も前月比+0.3%(前月:+0.4%)と前月を下回る一方、市場予想(+0.3%)に一致した(図表6)。前年同月比は総合指数が+3.8%(前月改定値:+4.3%)と+4.4%から下方修正された前月、市場予想(+4.7%)を下回った。コア指数は+4.6%(前月:+4.7%)とこちらも前月、市場予想(+4.7%)を下回った(図表7)。
1 可処分所得に対する貯蓄(可処分所得-個人支出)の比率。
2.結果の評価:PCE価格指数は総合、コアともに前月比、前年同月比で伸びが鈍化
個人消費(前月比)は5月が+0.1%と4月の+0.6%から大幅に伸びが鈍化したほか、4月分も▲0.2%ポイント下方修正されるなど、個人消費のモメンタムが低下していることを示した(図表1)。サービス消費が輸送サービスなどの増加を背景に堅調を維持する一方、自動車やガソリンなどの財消費が減少した。
個人所得(前月比)は労働需給の逼迫を背景に賃金・給与が+0.5%と高い伸びを維持していることもあって、堅調な伸びが続いている。この結果、貯蓄率は4.6%と前月から+0.3%ポイント上昇したほか、22年6月の2.7%から上昇基調が持続しており、所得対比で消費余力を残す状況となっている。
一方、FRBが物価指標としているPCE価格指数は、5月が総合指数と物価の基調を示すコア指数ともに前月比、前年同月比ともに小幅ながら伸びが鈍化した。もっとも、総合指数の前年同月比での低下が顕著となる一方、コア指数は22年12月以降に概ね横這い圏で推移しており、基調としての物価上昇圧力が依然として高い状況であることを確認する結果となった。このため、FRBは7月のFOMC会合で再び利上げに転じる可能性が高いとみられる。
個人所得(前月比)は労働需給の逼迫を背景に賃金・給与が+0.5%と高い伸びを維持していることもあって、堅調な伸びが続いている。この結果、貯蓄率は4.6%と前月から+0.3%ポイント上昇したほか、22年6月の2.7%から上昇基調が持続しており、所得対比で消費余力を残す状況となっている。
一方、FRBが物価指標としているPCE価格指数は、5月が総合指数と物価の基調を示すコア指数ともに前月比、前年同月比ともに小幅ながら伸びが鈍化した。もっとも、総合指数の前年同月比での低下が顕著となる一方、コア指数は22年12月以降に概ね横這い圏で推移しており、基調としての物価上昇圧力が依然として高い状況であることを確認する結果となった。このため、FRBは7月のFOMC会合で再び利上げに転じる可能性が高いとみられる。
3.所得動向:賃金・給与の堅調な伸びが持続
4.消費動向:財消費とサービス消費で明暗
5月の名目個人消費(前月比)は、財消費が▲0.5%(前月:+0.9%)と前月が大幅な伸びとなった反動もあってマイナスに転じた一方、サービス消費が+0.4%(前月:+0.5%)と前月から小幅に伸びは鈍化したものの堅調を維持した(図表4)。
財消費は、耐久財が▲0.9%(前月:+1.0%)、非耐久財が▲0.3%(前月:+0.8%)といずれも前月からマイナスに転じた。
耐久財では、家具・家電が+0.4%(前月:横這い)と前月から伸びが加速した一方、娯楽財・スポーツカーが+0.2%(前月:+0.7%)と伸びが鈍化した。さらに、自動車・自動車部品が▲3.0%(前月:+2.0%)と大幅なマイナスに転じて耐久財消費全体を押し下げた。
非耐久財では、衣料・靴が+0.1%(前月:+0.6%)、食料・飲料が+0.3%(前月:+0.4%)と前月から伸びが鈍化したほか、ガソリン・エネルギーが▲5.2%(前月:+2.2%)と大幅なマイナスに転じて非耐久財消費全体を押し下げた。
サービス消費は、娯楽サービスが▲0.6%(前月:+0.7%)と前月からマイナスに転じたほか、医療サービスが+0.4%(前月:+0.7%)、金融サービスが+0.5%(前月:+2.1%)と前月から伸びが鈍化した。一方、住宅・公共料金が+0.2%(前月:▲横這い)と前月からプラスに転じたほか、外食・宿泊が+0.5%(前月:+0.1%)、輸送サービスが+1.6%(前月:+0.7%)と伸びが加速した。
財消費は、耐久財が▲0.9%(前月:+1.0%)、非耐久財が▲0.3%(前月:+0.8%)といずれも前月からマイナスに転じた。
耐久財では、家具・家電が+0.4%(前月:横這い)と前月から伸びが加速した一方、娯楽財・スポーツカーが+0.2%(前月:+0.7%)と伸びが鈍化した。さらに、自動車・自動車部品が▲3.0%(前月:+2.0%)と大幅なマイナスに転じて耐久財消費全体を押し下げた。
非耐久財では、衣料・靴が+0.1%(前月:+0.6%)、食料・飲料が+0.3%(前月:+0.4%)と前月から伸びが鈍化したほか、ガソリン・エネルギーが▲5.2%(前月:+2.2%)と大幅なマイナスに転じて非耐久財消費全体を押し下げた。
サービス消費は、娯楽サービスが▲0.6%(前月:+0.7%)と前月からマイナスに転じたほか、医療サービスが+0.4%(前月:+0.7%)、金融サービスが+0.5%(前月:+2.1%)と前月から伸びが鈍化した。一方、住宅・公共料金が+0.2%(前月:▲横這い)と前月からプラスに転じたほか、外食・宿泊が+0.5%(前月:+0.1%)、輸送サービスが+1.6%(前月:+0.7%)と伸びが加速した。
5.価格指数:エネルギー価格が前月比、前年同月比ともに減少
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(2023年07月03日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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