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「福岡オフィス市場」の現況と見通し(2023年)

金融研究部 主任研究員 吉田 資
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1. はじめに
2. 福岡オフィス市場の現況
1 三幸エステートの定義による。大規模ビルは基準階面積200坪以上、大型は同100~200坪未満、中型は同50~100坪未満、小型は同20~50坪未満。
2 賃料サイクルとは、縦軸に賃料、横軸に空室率をプロットした循環図。通常、(1)空室率低下・賃料上昇→(2)空室率上昇・賃料上昇→(3)空室率上昇・賃料下落→(4)空室率低下・賃料下落、と時計周りに動く。
三鬼商事によると、2022年末時点で賃貸可能面積が最も大きいエリアは、「博多駅前地区(23.9%)」で、次いで「天神地区(21.9%)」、「博多駅東・駅南地区(16.5%)」、「祇園・呉服町地区(15.0%)」、「薬院・渡辺通地区(12.0%)」、「赤坂・大名地区(10.6%)」の順となっている(図表-8)。
2022年は、賃貸可能面積が全ての地区で増加し、福岡ビジネス地区全体で+1.5万坪増加した。特に、「赤坂・大名地区」(前年比+0.5万坪)と「天神地区」(同+0.5万坪)で増加した。
賃貸面積も、全ての地区で増加し、福岡ビジネス地区全体で+1.5万坪増加し、結果として、空室面積は前年末と同水準となった(図表-9)。
3. 福岡オフィス市場の見通し
内閣府・財務省「法人企業景気予測調査」によれば、「企業の景況判断BSI3」(福岡財務支局)は、コロナ禍が発生して2020年第2四半期に「▲53.7」と一気に悪化した。その後は、回復と悪化を繰り返しながら、2023 年第1四半期に「+5.8」まで回復した(図表-13)。
また、「従業員数判断BSI4」(福岡財務支局)は、新型コロナウィルス感染拡大後、「+22.5」(2020年第1四半期)から「+5.2」(第2四半期)へ大幅に低下した。その後は順調に回復し、足もとでは「+26.4」とコロナ禍前の水準を上回り人手不足感が強まっている(図表-14)。
福岡市では、人口の流入超過が継続しているもののその勢いは鈍化しており、福岡県の就業者は横ばいで推移している。一方、「企業の経営環境」および「雇用環境」はコロナ禍で受けたダメージから立ち直り順調な回復を示している。以上を鑑みると、福岡市のオフィスワーカー数が大幅に減少する懸念は小さいと言える。
3 企業の景況感が前期と比較して「上昇」と回答した割合から「下降」と回答した割合を引いた値。マイナス幅が大きいほど景況感
が悪いことを示す。
4 従業員数が「不足気味」と回答した割合から「過剰気味」と回答した割合を引いた値。マイナス幅が大きいほど雇用環境の悪化を示す。
(2023年06月21日「不動産投資レポート」)
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03-3512-1861
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
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