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- 海外投資家が2020年3月以来の大幅売り越し~2022年9月投資部門別売買動向~
コラム
2022年10月11日
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海外投資家が大幅に売り越した背景には、9月に入ってからの大幅な円安進行もあるが、9月13日夜に発表された米消費者物価指数(CPI)が前年同月比8.3%(予想8.1%)と市場予想を上回る上昇率だったことから、米国の金融引締め姿勢やインフレの長期化への警戒感が高まったことがある。さらに下旬は、9月20,21日に開催された米FOMCで0.75%の利上げの決定や利上げ見通しが予想以上にタカ派的だったこと、さらに英トラス政権が発表した財政政策をきっかけに信用不安が高まり、英国株や英ポンドが下落したことから、世界的にリスクオフ姿勢がやや強まった。それに伴って海外投資家による日本株式の売却も、月末にかけ増えた様子である。
その一方で個人は、現物と先物の合計で1兆2,178億円の買い越しと9月最大の買い越し部門であった。9月第1週(9月5日~9日)は2,336億円売り越したが、2~4週(9月12日~30日)は1兆4,512億円を買い越した。株価が下落したときに買いを入れるという個人の逆張り姿勢は健在だったようだ。
他には、信託銀行が8,009億円の買い越しと2022年5月以来の買い越し、事業法人が6,406億円の買い越しと16ヶ月連続で買い越した。このように国内投資家は9月に概ね買っていたものの、あまりに海外投資家の売却が大きかったため、日経平均株価は大幅な下落となった。
その一方で個人は、現物と先物の合計で1兆2,178億円の買い越しと9月最大の買い越し部門であった。9月第1週(9月5日~9日)は2,336億円売り越したが、2~4週(9月12日~30日)は1兆4,512億円を買い越した。株価が下落したときに買いを入れるという個人の逆張り姿勢は健在だったようだ。
他には、信託銀行が8,009億円の買い越しと2022年5月以来の買い越し、事業法人が6,406億円の買い越しと16ヶ月連続で買い越した。このように国内投資家は9月に概ね買っていたものの、あまりに海外投資家の売却が大きかったため、日経平均株価は大幅な下落となった。
過去7年をみると、偶然かもしれないものの、海外投資家は10月に買い越している年が多く、特に現物だと2018年を除いた6年は買い越していた。現物に限れば、10月は他の月に比べて海外投資家が買いやすい傾向があるのかもしれない。9月に2020年3月以来の大幅売り越しとなったが、過去の例のように10月は海外投資家が戻ってくるのか、さらに売却するのか注目してみたい。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年10月11日「研究員の眼」)

03-3512-1855
経歴
- 【職歴】
2006年 資産運用会社にトレーダーとして入社
2015年 ニッセイ基礎研究所入社
2020年4月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・早稲田大学大学院経営管理研究科修了(MBA、ファイナンス専修)
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