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- 米国経済の見通し-経済の正常化、追加経済対策の効果で21年は37年ぶりの高成長へ
2021年03月09日
■要旨
- 米国の10-12月期の実質GDP成長率(前期比年率)は+4.1%と前期(+33.4%)から大幅に低下。設備投資や住宅投資が2桁の伸びを維持した一方、個人消費の伸びが+2.4%と前期(+41.0%)から大幅に鈍化。もっとも、新型コロナ感染者数の増加ペースが鈍化しているほか、昨年末に決まった追加経済対策の効果で可処分所得が押上げられており、個人消費は足元で回復の兆し。
- 今後はワクチン接種の浸透により、年後半以降はソーシャルディスタンシングの解消に伴う経済正常化の動きが加速する見込み。さらに、3月に成立が見込まれる1.9兆ドル(名目GDP比9%)規模の経済対策が21年の成長率を大幅に押し上げよう。
- 経済見通しは引き続き新型コロナの感染動向や経済対策の動向にされるため、非常に不透明である。当研究所は経済正常化や追加経済対策の効果により、成長率は21年に前年比+5.7%と84年(+7.2%)以来の高成長を予想。22年も+3.8%と堅調な伸びとなろう。
- 金融政策は量的緩和の買い入れペースの縮小開始が22年前半、政策金利の引き上げ開始は24年前半を予想。今年や来年の政策金利の引き上げは見込まず。
- 上記見通しに対するリスクは新型コロナとインフレ高進、米国内政治が挙げられる。変異ウイルスの影響でソーシャルディスタンシングの解消が遅れる場合や、FRBに対する信認低下などからインフレが持続的に加速し早期の利上げに追い込まれれば、経済の下振れ要因となる。一方、大型インフラ投資など拡張的な財政政策が追加で決定される場合には経済の上振れ要因となろう。
■目次
1.経済概況・見通し
・(経済概況)10‐12月期の成長率は個人消費の鈍化などもあり、前期から大幅に低下
・(経済見通し)成長率は21年が前年比+5.7%、21年は+3.8%を予想
2.実体経済の動向
・(労働市場、個人消費)労働市場の回復は加速へ、個人消費も堅調推移
・(設備投資)回復基調が持続
・(住宅投資)住宅ローン金利の上昇もあり、住宅市場の好調は維持できない
・(政府支出、債務残高)累次の経済対策で財政状況は大幅に悪化、狭まる財政拡大余地
・(貿易)堅調な輸入拡大を背景に成長率のマイナス寄与は継続
3.物価・金融政策・長期金利の動向
・(物価)インフレは短期的に高進も、持続的なインフレ加速は予想せず
・(金融政策)22年前半に量的緩和の買い入れペースは縮小へ
・(長期金利)21年末1.7%、22年末2.0%を予想
1.経済概況・見通し
・(経済概況)10‐12月期の成長率は個人消費の鈍化などもあり、前期から大幅に低下
・(経済見通し)成長率は21年が前年比+5.7%、21年は+3.8%を予想
2.実体経済の動向
・(労働市場、個人消費)労働市場の回復は加速へ、個人消費も堅調推移
・(設備投資)回復基調が持続
・(住宅投資)住宅ローン金利の上昇もあり、住宅市場の好調は維持できない
・(政府支出、債務残高)累次の経済対策で財政状況は大幅に悪化、狭まる財政拡大余地
・(貿易)堅調な輸入拡大を背景に成長率のマイナス寄与は継続
3.物価・金融政策・長期金利の動向
・(物価)インフレは短期的に高進も、持続的なインフレ加速は予想せず
・(金融政策)22年前半に量的緩和の買い入れペースは縮小へ
・(長期金利)21年末1.7%、22年末2.0%を予想
(2021年03月09日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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