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- 退職後も資産運用は必要なの?
2020年10月07日
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Q1.最近、資産寿命という言葉をよく耳にします。資産寿命を延ばすためには、退職後も資産運用は必要ですか?
では、退職時の資産残高が1,000万円の場合はどうでしょうか。資産を運用しなければ、81歳で資産が枯渇します。81歳時点で共に健在である確率は57%と高いので、何らかの対策が必要です。仮に、年率2.5%で安定的に資産を運用できるなら、85歳まで資産は枯渇しませんが、86歳になる前に枯渇します(赤線)。86歳時点で共に健在である確率は34%と依然高いままです。資産を運用することで、更なる資産寿命の延長を目指すならば、年率2.5%よりも高い収益率が必要です。97歳まで資産を枯渇させないためには、年率5.0%で安定的に資産を運用する必要があります。
1 当レポートは、『日経ヴェリタス8月2日号』に掲載した記事を加筆・修正しています。
1 当レポートは、『日経ヴェリタス8月2日号』に掲載した記事を加筆・修正しています。
■退職後の資産運用の要否を判断する前に適切な資金計画を
資産寿命を延ばす手段は、資産運用だけではありません。就労期間を延長し収入を増やしたり、生活水準を引き下げ、生活費を減らしたりすることでも資産寿命を延ばすことができます。仮に、生活水準を10%引き下げ、生活費を年間270万円に抑えられるならば、取り崩し額が年間30万円で足りるので、資産を運用しなくても97歳まで資産は枯渇しません。実際は、資産運用にはリスクが伴い、高い収益率を目指すほどリスクも高くなります。また、資産を運用するか、収入を増やすか、生活水準を引き下げるかといった三者択一ではなく、「どの程度のリスクなら許容できるか(許容リスク量)」、「どの程度収入を増やせるか(就労可能性)」、「どの程度なら生活水準の低下に耐えられるか(許容生活水準)」とのバランスで、リスクを許容し資産運用を行うべきか否かを選択するのが合理的です。つまり、資産残高や年金受給額だけでは、資産寿命を延ばすために資産運用が必要か否かを判断することはできません。
退職後の資産運用の要否を判断する前に、許容リスク量、就労可能性、許容生活水準なども総合的に勘案し、適切に資金計画を策定することが、とても重要です。
資産寿命を延ばす手段は、資産運用だけではありません。就労期間を延長し収入を増やしたり、生活水準を引き下げ、生活費を減らしたりすることでも資産寿命を延ばすことができます。仮に、生活水準を10%引き下げ、生活費を年間270万円に抑えられるならば、取り崩し額が年間30万円で足りるので、資産を運用しなくても97歳まで資産は枯渇しません。実際は、資産運用にはリスクが伴い、高い収益率を目指すほどリスクも高くなります。また、資産を運用するか、収入を増やすか、生活水準を引き下げるかといった三者択一ではなく、「どの程度のリスクなら許容できるか(許容リスク量)」、「どの程度収入を増やせるか(就労可能性)」、「どの程度なら生活水準の低下に耐えられるか(許容生活水準)」とのバランスで、リスクを許容し資産運用を行うべきか否かを選択するのが合理的です。つまり、資産残高や年金受給額だけでは、資産寿命を延ばすために資産運用が必要か否かを判断することはできません。
退職後の資産運用の要否を判断する前に、許容リスク量、就労可能性、許容生活水準なども総合的に勘案し、適切に資金計画を策定することが、とても重要です。
Q2.資産寿命を延ばす必要が無くても、退職後も資産運用すると何かメリットはありますか?
※ その他ジェロントロジー関連のレポートはこちらからご確認下さい。
https://www.nli-research.co.jp/report_category/tag_category_id=15?site=nli
(2020年10月07日「ジェロントロジーレポート」)
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経歴
- 【職歴】
1999年 日本生命保険相互会社入社
2006年 ニッセイ基礎研究所へ
2017年4月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
高岡 和佳子のレポート
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