2020年03月10日

韓国政府、新型コロナ対策に31.7兆ウォン(約2.9兆円)の財源を投入

生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中

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■要旨
  • 韓国政府は、2月23日に大邱を中心に新型ウイルスの感染者数が急増すると、4段階に分類される感染症に関する危機警戒レベルを「警戒」から最高レベルの「深刻」に引き上げた。
     
  • 新型コロナウイルスが長期化することにより、韓国経済も大きな打撃を受けている。株価は大きく下がり、ウォン売りも続いている。
     
  • 特に、韓国では就業者に占める自営業者(特に零細自営業者)の割合が高く、新型コロナウイルスによる民間消費の減少が自営業者に与える影響は他の国に比べて大きい。
     
  • 韓国政府が発表した景気対策の内容は、大きく1)防疫支援、2)消費活性化、3)自営業者や小商工人(常時10人未満の労働者を使用する企業)及び中小企業支援対策、4)その他の対策に区分することができる。
     
  • 韓国政府が20兆ウォンに達する景気対策と11.7兆ウォンの追加補正予算案を合わせて31.7兆ウォンの財源を投入すると発表した理由は、2003年や2012年に流行したサーズ(SARS)やマーズ(MARS)に比べて今回の新型コロナウイルスの感染拡大が韓国経済により大きな被害を与える可能性があると判断したからである。

■目次

・自営業者や中小企業の被害が拡大
・新型コロナウイルス対策に約31.7兆ウォン(約2.9兆円)の財源を投入
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生活研究部   上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任

金 明中 (きむ みょんじゅん)

研究・専門分野
労働経済学、社会保障論、日・韓における社会政策や経済の比較分析

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