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- 若手人材の心を動かす、企業の「社会貢献活動」とは(2)-「行動科学」で考える、パーパスと従業員の自発行動のつなぎ方
2025年04月25日
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1――はじめに
1|はじめに~社員の「自発的な社会貢献行動」はどのように引き出せるのか
いま多くの企業が、サステナビリティ経営の一環として「従業員参加による社会貢献活動」を推進している。しかしその現場では、「制度や取り組みはあるが、社員の参加が思うように広がらない」という悩みを抱える担当者も少なくない。とくに人的資本経営が注目される中、従業員が自ら進んで社会課題に関与し、価値創造の担い手として行動するには、何が求められるのか。3回のレポートの第2回にあたる本稿では、この問いに対し、行動科学の知見とサステナビリティ・マーケティングの視点から考察を行う。
本稿のテーマは、「従業員の(社会貢献活動参加に対する)内面的な動機や主体的な行動をどのように引き出すか」にある。その出発点として、筆者らが前稿で示したのが、行動科学に基づいたSHIFTフレームワーク1(Social influence, Habit formation, Individual self, Feelings and cognition, Tangibility)と、ニッセイ基礎研究所が独自に分析したサステナビリティ意識の7因子2(以下「サステナ意識7因子」)との照合である。
前稿3では、人が持続可能な行動を取るうえで、心理的に大きな影響を与える要素として、とりわけ「自分ごと化」が鍵を握ることを明らかにした。これはSHIFTで言えば「Feelings and Cognition(感情と認知)」、サステナ意識7因子で言えば「自分ごと意識」に該当する。つまり、環境問題や社会課題を「誰かの問題」ではなく「自分の問題」として捉えられるかどうかが、行動の初動を大きく左右する(図表1)。
いま多くの企業が、サステナビリティ経営の一環として「従業員参加による社会貢献活動」を推進している。しかしその現場では、「制度や取り組みはあるが、社員の参加が思うように広がらない」という悩みを抱える担当者も少なくない。とくに人的資本経営が注目される中、従業員が自ら進んで社会課題に関与し、価値創造の担い手として行動するには、何が求められるのか。3回のレポートの第2回にあたる本稿では、この問いに対し、行動科学の知見とサステナビリティ・マーケティングの視点から考察を行う。
本稿のテーマは、「従業員の(社会貢献活動参加に対する)内面的な動機や主体的な行動をどのように引き出すか」にある。その出発点として、筆者らが前稿で示したのが、行動科学に基づいたSHIFTフレームワーク1(Social influence, Habit formation, Individual self, Feelings and cognition, Tangibility)と、ニッセイ基礎研究所が独自に分析したサステナビリティ意識の7因子2(以下「サステナ意識7因子」)との照合である。
前稿3では、人が持続可能な行動を取るうえで、心理的に大きな影響を与える要素として、とりわけ「自分ごと化」が鍵を握ることを明らかにした。これはSHIFTで言えば「Feelings and Cognition(感情と認知)」、サステナ意識7因子で言えば「自分ごと意識」に該当する。つまり、環境問題や社会課題を「誰かの問題」ではなく「自分の問題」として捉えられるかどうかが、行動の初動を大きく左右する(図表1)。
1 White, K., Habib, R., & Hardisty, D. J. (2019). How to SHIFT consumer behaviors to be more sustainable: A literature review and guiding framework. Journal of Marketing, 83(6)
この研究では、人が持続可能な行動を取る際に直面する内面的な心理的要因のうち特に「態度と行動のギャップ」に繋がる5つの要点(自己–他者のトレードオフ、長い時間軸、集団行動の必要性、抽象性の問題、自動的な行動から意識的な行動への切り替え)を整理しており、SHIFTフレームワークはその抑制や解消を促すツールと位置づけられている。なおSHIFTは、実証的な知見と理論的仮説の両面に基づくものであるが、先行研究では実際にデータを用いて実証されている訳ではない。
2 サステナビリティに関する消費者調査/(2024年調査)調査時期:2024年8月20日~23日/調査対象:全国20~74歳男女/調査手法:インターネット調査(株式会社マクロミルのモニターから令和2年国勢調査の性・年代構成比に合わせて抽出)/有効回答数:2,500。
因子分析の結果、7つの因子寄与率は50.324%であり、社会科学研究において許容可能な水準である。各因子の信頼性は高く(Cronbach’s α・ω ≥ 0.8)、適合度指標(CFI = 0.988, RMSEA = 0.043)も良好である。因子間相関は0.3~0.7の範囲で、因子の独立性を保ちつつ関連性が示されている。
3 基礎研レター「若手人材の心を動かす、企業の「社会貢献活動」とは(1)」(2025年4月)
2|社員の「自発的な社会貢献行動」は「組織コミットメント」にも繋がる
さらに、従業員による社会貢献活動への関与は、組織に対するコミットメント向上や、しいては中長期的な人材流出リスクの抑制にも繋がる可能性が、先行研究4からも指摘されている。これは単なるCSR施策にとどまらず、企業の人的資本戦略やエンゲージメント施策としても実効性を持ちうる領域であることを示している。
こうした背景を踏まえ、本稿ではもう一歩踏み込んで、「参加したいとは思っているのに行動には移せない」といった、いわゆる「態度と行動のギャップ」に着目する。このギャップがなぜ生じるのか。その心理的メカニズムを明らかにしたうえで、SHIFTやサステナ意識7因子を手がかりに、行動促進のための具体的な施策や制度設計のあり方を検討していく。
4 高島健太郎・西垣朋哉・渡邉汐音・竹下智之(2020)「若手従業員の『本業外のキャリア開発活動』への意欲と組織コミットメントの関係に関する分析」,『日本経営工学会論文誌』,Vol.12
さらに、従業員による社会貢献活動への関与は、組織に対するコミットメント向上や、しいては中長期的な人材流出リスクの抑制にも繋がる可能性が、先行研究4からも指摘されている。これは単なるCSR施策にとどまらず、企業の人的資本戦略やエンゲージメント施策としても実効性を持ちうる領域であることを示している。
こうした背景を踏まえ、本稿ではもう一歩踏み込んで、「参加したいとは思っているのに行動には移せない」といった、いわゆる「態度と行動のギャップ」に着目する。このギャップがなぜ生じるのか。その心理的メカニズムを明らかにしたうえで、SHIFTやサステナ意識7因子を手がかりに、行動促進のための具体的な施策や制度設計のあり方を検討していく。
4 高島健太郎・西垣朋哉・渡邉汐音・竹下智之(2020)「若手従業員の『本業外のキャリア開発活動』への意欲と組織コミットメントの関係に関する分析」,『日本経営工学会論文誌』,Vol.12
3|従業員の持続可能な行動を生み出す“心理の連鎖”をどう読み解くか
本稿では、従業員の心理因子がどのような構造とメカニズムでサステナ行動を促進しているかを検証するが、具体的には、以下の2つの分析アプローチを通じてその関係性を明らかにしていく。
・偏相関分析5:
心理因子間の「同時相関」ではなく、「他の変数の影響を除いたうえでの関係性」を把握する手法。
・ベイジアンネットワーク分析:
心理因子間の「因果関係の構造」を推定し、それぞれどのような影響を及ぼしているかを明示する手法。
たとえば、偏相関分析において「自分ごと意識(使命感・制約)」と「習慣形成(日常行動の定着)」が有意な正の関係を持つことが明らかになれば、従業員のサステナビリティ意識は相互に連動して高まる可能性があると解釈できる。この結果は、単発的な啓発やイベント施策ではなく、「内発的な共感」と「行動の継続性」を同時に設計することの重要性を示唆する。
また、ベイジアンネットワーク6によって、たとえば「自分ごと意識」が高まることで「責任意識」が喚起され、それが「習慣形成」に繋がるといった因果構造が示されれば、従業員向けの施策設計における優先順位の組み立てに資する情報となる。
この場合、「まずパーパスを通じて共感を生む」→「行動の社会的意義を明示する」→「小さな行動から始めてもらう」という段階的設計が、実務上の有力な導線となるだろう。
本章で試みるのは、単なる相関関係の確認ではなく、施策設計の実務に落とし込むための「心理的プロセスの見える化」である。次節では、分析結果をもとに、それぞれの心理因子がどのように従業員の行動変容に影響しているのかを具体的に考察していく。
5 偏相関分析は、他の変数の影響を統制(コントロール)した上で、対象となる2変数がどの程度連動しているかを明らかにする手法である。たとえば相関分析で、A(社会貢献活動の研修参加率)とB(節約行動)の間に正の相関が認められると仮定した時、従業員の全体的な環境意識(C)が高まっている場合、AとBの間の相関はCの影響を受けることになるが、偏相関分析を実施することで、Cの影響を統制し、AとBの間の「純粋な」連動性を評価できる。これにより、社会貢献活動の研修の直接的な効果が明確になり、企業が実施した施策の有効性をより正確に把握することができるようになる。
企業内の環境意識の高まりが与える影響を排することができるため、本稿の分析においては偏相関分析の方が望ましいと考えられる。
6 ベイジアンネットワークは、確率的グラフィカルモデルの一種であり、変数間の因果関係を解析して表現する手法である。たとえば、ある変数の変化が他の変数に与える影響(直接的および間接的な影響)を推定することができる。政策介入や政策変更の効果予測にも用いられることもあるが、企業の従業員行動や企業施策における「直接効果」などを把握する上で効果的な手法である。
企業のサステナビリティ施策と従業員の行動変容を理解し、具体的な介入策を設計するという本稿の目的に照らして有用な手法と言える。
本稿では、従業員の心理因子がどのような構造とメカニズムでサステナ行動を促進しているかを検証するが、具体的には、以下の2つの分析アプローチを通じてその関係性を明らかにしていく。
・偏相関分析5:
心理因子間の「同時相関」ではなく、「他の変数の影響を除いたうえでの関係性」を把握する手法。
・ベイジアンネットワーク分析:
心理因子間の「因果関係の構造」を推定し、それぞれどのような影響を及ぼしているかを明示する手法。
たとえば、偏相関分析において「自分ごと意識(使命感・制約)」と「習慣形成(日常行動の定着)」が有意な正の関係を持つことが明らかになれば、従業員のサステナビリティ意識は相互に連動して高まる可能性があると解釈できる。この結果は、単発的な啓発やイベント施策ではなく、「内発的な共感」と「行動の継続性」を同時に設計することの重要性を示唆する。
また、ベイジアンネットワーク6によって、たとえば「自分ごと意識」が高まることで「責任意識」が喚起され、それが「習慣形成」に繋がるといった因果構造が示されれば、従業員向けの施策設計における優先順位の組み立てに資する情報となる。
この場合、「まずパーパスを通じて共感を生む」→「行動の社会的意義を明示する」→「小さな行動から始めてもらう」という段階的設計が、実務上の有力な導線となるだろう。
本章で試みるのは、単なる相関関係の確認ではなく、施策設計の実務に落とし込むための「心理的プロセスの見える化」である。次節では、分析結果をもとに、それぞれの心理因子がどのように従業員の行動変容に影響しているのかを具体的に考察していく。
5 偏相関分析は、他の変数の影響を統制(コントロール)した上で、対象となる2変数がどの程度連動しているかを明らかにする手法である。たとえば相関分析で、A(社会貢献活動の研修参加率)とB(節約行動)の間に正の相関が認められると仮定した時、従業員の全体的な環境意識(C)が高まっている場合、AとBの間の相関はCの影響を受けることになるが、偏相関分析を実施することで、Cの影響を統制し、AとBの間の「純粋な」連動性を評価できる。これにより、社会貢献活動の研修の直接的な効果が明確になり、企業が実施した施策の有効性をより正確に把握することができるようになる。
企業内の環境意識の高まりが与える影響を排することができるため、本稿の分析においては偏相関分析の方が望ましいと考えられる。
6 ベイジアンネットワークは、確率的グラフィカルモデルの一種であり、変数間の因果関係を解析して表現する手法である。たとえば、ある変数の変化が他の変数に与える影響(直接的および間接的な影響)を推定することができる。政策介入や政策変更の効果予測にも用いられることもあるが、企業の従業員行動や企業施策における「直接効果」などを把握する上で効果的な手法である。
企業のサステナビリティ施策と従業員の行動変容を理解し、具体的な介入策を設計するという本稿の目的に照らして有用な手法と言える。
2――分析結果(1):従業員の「意識構造」は行動につながっているのか
ここでは、従業員のサステナ意識に関する心理因子が、どのような構造とメカニズムで持続可能な行動につながるのかを分析した結果を紹介する。
1|「自分ごと意識」が出発点となるサステナ意識の連鎖
まず注目すべきは、「自分ごと意識(=使命感)」が高まることで、「責任意識(=Individual self)」が強化されるという関係性(偏相関係数 = 0.422)である。これは、社会課題を「自分の問題」と捉えた従業員が、「自分が関わる責任がある」と感じる心理構造を示唆している。
さらに、「責任意識」が高まると、「日常習慣意識(積極行動)」が強まる(= 0.252)、加えて「日常習慣意識(消極行動)」とも強く連動し(= 0.520)、最終的には「社会との関わり意識(= Social influence)」が大きく高まる(= 0.643)という構造が確認された。
この流れは、次のような「理想的な行動の連鎖」7を示していると思われる。:
まず注目すべきは、「自分ごと意識(=使命感)」が高まることで、「責任意識(=Individual self)」が強化されるという関係性(偏相関係数 = 0.422)である。これは、社会課題を「自分の問題」と捉えた従業員が、「自分が関わる責任がある」と感じる心理構造を示唆している。
さらに、「責任意識」が高まると、「日常習慣意識(積極行動)」が強まる(= 0.252)、加えて「日常習慣意識(消極行動)」とも強く連動し(= 0.520)、最終的には「社会との関わり意識(= Social influence)」が大きく高まる(= 0.643)という構造が確認された。
この流れは、次のような「理想的な行動の連鎖」7を示していると思われる。:
組織社会学では、こうした行動が繰り返されることで「集団的慣行」が生まれ、やがて組織内の暗黙の規範として定着していくとされるが、それに通じる構造が見て取れる。
7 *偏相関分析により、全体的な環境意識やその他の共通背景要因の影響を統制した上で、例えば「責任意識」と「積極行動」間に有意な正の偏相関(r = 0.2521, p < 0.001)等が確認されたことから、個々の因子が単独で持つ連動性を明確に評価できており、従業員のサステナ意識における内在的な相互作用を定量的に捉えられていると考えられる。分析結果の詳細は巻末を参照頂きたい。
7 *偏相関分析により、全体的な環境意識やその他の共通背景要因の影響を統制した上で、例えば「責任意識」と「積極行動」間に有意な正の偏相関(r = 0.2521, p < 0.001)等が確認されたことから、個々の因子が単独で持つ連動性を明確に評価できており、従業員のサステナ意識における内在的な相互作用を定量的に捉えられていると考えられる。分析結果の詳細は巻末を参照頂きたい。
2|「意識と行動のギャップ」はどこに生じるのか?
一方で、「責任意識」と「日常習慣意識(積極行動)」の偏相関は相対的にやや弱め(= 0.252)である。
これは、「やるべきだとは思っているが、行動には至らない」という「態度と行動のギャップ」が、この接点に潜在している可能性を示している。
また、「日常習慣意識」は、「積極行動(=ポジティブな関与)」だけでなく、「消極行動(=問題提起や批判)」へも分岐している。たとえば、社会問題がある行動を「敢えて選ばない」といった決定は、直接的な貢献ではなく、「選択による意思表示」という形式をとる。こうした「消極行動」もまた、サステナ行動の一形態であり、過度に抑制すると、むしろ従業員の「積極行動」や「責任感」を萎縮させるリスクがあるだろう。
一方で、「責任意識」と「日常習慣意識(積極行動)」の偏相関は相対的にやや弱め(= 0.252)である。
これは、「やるべきだとは思っているが、行動には至らない」という「態度と行動のギャップ」が、この接点に潜在している可能性を示している。
また、「日常習慣意識」は、「積極行動(=ポジティブな関与)」だけでなく、「消極行動(=問題提起や批判)」へも分岐している。たとえば、社会問題がある行動を「敢えて選ばない」といった決定は、直接的な貢献ではなく、「選択による意思表示」という形式をとる。こうした「消極行動」もまた、サステナ行動の一形態であり、過度に抑制すると、むしろ従業員の「積極行動」や「責任感」を萎縮させるリスクがあるだろう。
3|従業員による「時間がない」「どうすればいいか分からない」が参加のブレーキに
さらに、「自分ごと意識(使命感)」と「自分ごと意識(制約感)」の間にも、有意な正の偏相関(= 0.238)が確認された。これは、サステナビリティに対して関心が高まる一方で、「でも、時間があれば……」「余裕がない」という制約の認識も同時に強まることを意味する。
この「制約感」は、さらに「障壁意識(Tangibility=取り組みの具体性や手がかりの欠如)」とも相関(= 0.340)している。つまり、せっかく使命感があっても、「何をすればよいか分からない」「時間が取れない」といった状況では、行動に移すことが難しいことを示している。
さらに、「自分ごと意識(使命感)」と「自分ごと意識(制約感)」の間にも、有意な正の偏相関(= 0.238)が確認された。これは、サステナビリティに対して関心が高まる一方で、「でも、時間があれば……」「余裕がない」という制約の認識も同時に強まることを意味する。
この「制約感」は、さらに「障壁意識(Tangibility=取り組みの具体性や手がかりの欠如)」とも相関(= 0.340)している。つまり、せっかく使命感があっても、「何をすればよいか分からない」「時間が取れない」といった状況では、行動に移すことが難しいことを示している。
4|従業員向けの施策は「自分ごと意識~共感の喚起」だけでは不十分
ここまでの分析から明らかになるのは、前稿の解析で、サステナ行動の第一歩として「共感=自分ごと意識」は重要だと指摘したが、それだけでは不十分であるという点だ。実際に行動が起きるまでには、「時間的・心理的な制約」「行動への具体的な導線の欠如」「継続性の不安」など、複数の「心のハードル」が存在する。
これらのハードルを把握せずに制度や施策を設計すると、「よいことは分かっているのに、誰もやらない」といった形骸化に陥るリスクもあるだろう。実務的には、この「心のハードル=マイナス要因」に焦点をあて、より実務に役立つ施策設計の優先順位を導き出していく必要があると思われる。
ここまでの分析から明らかになるのは、前稿の解析で、サステナ行動の第一歩として「共感=自分ごと意識」は重要だと指摘したが、それだけでは不十分であるという点だ。実際に行動が起きるまでには、「時間的・心理的な制約」「行動への具体的な導線の欠如」「継続性の不安」など、複数の「心のハードル」が存在する。
これらのハードルを把握せずに制度や施策を設計すると、「よいことは分かっているのに、誰もやらない」といった形骸化に陥るリスクもあるだろう。実務的には、この「心のハードル=マイナス要因」に焦点をあて、より実務に役立つ施策設計の優先順位を導き出していく必要があると思われる。
(2025年04月25日「基礎研レター」)
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経歴
- 【経歴】
1997年~ 商社・電機・コンサルティング会社において電力・エネルギー事業、地方自治体の中心市街地活性化・商業まちづくり・観光振興事業に従事
2008年 株式会社日本リサーチセンター
2019年 株式会社プラグ
2024年7月~現在 ニッセイ基礎研究所
2022年~現在 多摩美術大学 非常勤講師(消費者行動論)
2021年~2024年 日経クロストレンド/日経デザイン アドバイザリーボード
2007年~2008年(一社)中小企業診断協会 東京支部三多摩支会理事
2007年~2008年 経済産業省 中心市街地活性化委員会 専門委員
【加入団体等】
・日本行動計量学会 会員
・日本マーケティング学会 会員
・生活経済学会 准会員
【学術研究実績】
「新しい社会サービスシステムの社会受容性評価手法の提案」(2024年 日本行動計量学会*)
「何がAIの社会受容性を決めるのか」(2023年 人工知能学会*)
「日本・米・欧州・中国のデータ市場ビジネスの動向」(2018年 電子情報通信学会*)
「企業間でのマーケティングデータによる共創的価値創出に向けた課題分析」(2018年 人工知能学会*)
「Webコミュニケーションによる消費者⾏動の理解」(2017年 日本マーケティング・サイエンス学会*)
「企業の社会貢献に対する消費者の認知構造に関する研究 」(2006年 日本消費者行動研究学会*)
*共同研究者・共同研究機関との共著
小口 裕のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
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2025/05/15 | 若手人材の心を動かす、企業の「社会貢献活動」とは(3)-「行動科学」で考える、パーパスと従業員の自発行動のつなぎ方 | 小口 裕 | 基礎研レター |
2025/05/09 | 官民連携「EVカーシェア」の現状-GXと地方創生の交差点で進むモビリティ変革の芽 | 小口 裕 | 基礎研レター |
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【若手人材の心を動かす、企業の「社会貢献活動」とは(2)-「行動科学」で考える、パーパスと従業員の自発行動のつなぎ方】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
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