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- 低迷続く中国不動産市場の展望-金融危機に至る可能性は低いが、停滞は長期化し、経済の重石に
2023年10月10日
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                                            ■要旨
 
■目次
1――低迷が長期化する中国の不動産市場
2――不動産政策緩和に転じた中国指導部。ただし、過度な緩和は期待できず、効果発現は緩やかに
3――今後の展望:3つのシナリオ
1|メインシナリオ
:停滞長期化の後に底打ち。ただし、その後も需給は軟化しやすく不安定な状況が続く
2|リスクシナリオ
:販売悪化に歯止めがかからず悪循環が加速しハードランディング
3|楽観シナリオ
:積極的な政策の緩和により販売が早期に回復
4――不動産市場の悪化が拡大した場合の経済・金融への影響と耐性
1|実体経済への影響
:昨年と同程度の不動産関連需要減が追加で発生すれば、景気への影響は大
2|金融への影響
:不良債権処理圧力が高まるも、銀行セクターの処理余力はまだあり
5――おわりに:不動産市場ソフトランディングの成否は今後の中国経済の行方をも左右
            - 中国で不動産市場の低迷が続いている。これまで中国経済に不動産市場の発展が大きな役割を果たしてきたが、その不動産依存が目下最大のリスクとなっている。本稿では、中国の不動産市場を巡る状況や最近の政策対応の動向を踏まえ、不動産市場が今後どのような展開をみせるか考察するとともに、不動産市場の悪化が拡大した場合の経済・金融への影響を分析した。
 
- 今後の展開に関しては、メインシナリオとして、現在の政策対応の効果が即効性を欠くことから停滞は長期化し、販売の減少幅拡大に歯止めがかかり始めるのは早くとも24年になると想定している。その後も、人口減少と過剰在庫により不動産市場は軟化しやすく、不安定な状況が続くだろう。
 
- 経済・金融への影響に関しては、22年と同程度の不動産関連需要の需要減が追加で発生した場合、名目GDPを2%程度押し下げる可能性があるが、国内セクターへの影響が主で、海外への影響は限定的となりそうだ。金融面では、銀行の不良債権処理余力はまだ十分にある。不良債権処理が経済の重石となりうるが、システミックリスクの顕在化により金融危機にまで至る可能性は低いとみている。
■目次
1――低迷が長期化する中国の不動産市場
2――不動産政策緩和に転じた中国指導部。ただし、過度な緩和は期待できず、効果発現は緩やかに
3――今後の展望:3つのシナリオ
1|メインシナリオ
:停滞長期化の後に底打ち。ただし、その後も需給は軟化しやすく不安定な状況が続く
2|リスクシナリオ
:販売悪化に歯止めがかからず悪循環が加速しハードランディング
3|楽観シナリオ
:積極的な政策の緩和により販売が早期に回復
4――不動産市場の悪化が拡大した場合の経済・金融への影響と耐性
1|実体経済への影響
:昨年と同程度の不動産関連需要減が追加で発生すれば、景気への影響は大
2|金融への影響
:不良債権処理圧力が高まるも、銀行セクターの処理余力はまだあり
5――おわりに:不動産市場ソフトランディングの成否は今後の中国経済の行方をも左右
(2023年10月10日「基礎研レポート」)
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経歴
                            - 【職歴】
 ・2006年:みずほ総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)入社
 ・2009年:同 アジア調査部中国室
 (2010~2011年:北京語言大学留学、2016~2018年:みずほ銀行(中国)有限公司出向)
 ・2020年:同 人事部
 ・2023年:ニッセイ基礎研究所入社
 【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員
三浦 祐介のレポート
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