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- 経過措置適用企業の進捗状況と株価~東証市場再編後の課題~
2023年07月31日
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■要旨
2023年7月時点の経過措置適用企業の進捗状況をまとめたうえで、各進捗状況に該当する企業の株価推移について確認した。
直近で適合計画書を開示した日を基準に、株価の推移を確認すると「スタンダード市場への選択申請を決議した企業」の株価は開示翌営業日に約3%対TOPIXで下落した。一方、「適合企業」はほぼTOPIXと同じような推移だった。
そこで、新市場区分への移行基準日である2021年6月末を基準としてやや長めの株価推移を確認したところ、「適合企業」の株価は基準日以降右肩上がりで上昇していた。各企業の取り組みが投資家から好意的に評価されたことで株価が上昇し、その結果、上場維持基準に適合したと考えられる。
経過措置適用企業の中には、特に流通株式時価総額について現時点においても上場維持基準を大きく下回っている企業が多い。そのため、9月29日の申請期限を前に、8月以降もスタンダード市場への選択申請を行う企業が増えることが考えられる。
■目次
はじめに
■上場会社数に占める経過措置適用企業の割合は14.5%
■経過措置適用企業の基準達成に向けた進捗状況
■直近の適合計画書開示後の株価推移は
■まとめ
2023年7月時点の経過措置適用企業の進捗状況をまとめたうえで、各進捗状況に該当する企業の株価推移について確認した。
直近で適合計画書を開示した日を基準に、株価の推移を確認すると「スタンダード市場への選択申請を決議した企業」の株価は開示翌営業日に約3%対TOPIXで下落した。一方、「適合企業」はほぼTOPIXと同じような推移だった。
そこで、新市場区分への移行基準日である2021年6月末を基準としてやや長めの株価推移を確認したところ、「適合企業」の株価は基準日以降右肩上がりで上昇していた。各企業の取り組みが投資家から好意的に評価されたことで株価が上昇し、その結果、上場維持基準に適合したと考えられる。
経過措置適用企業の中には、特に流通株式時価総額について現時点においても上場維持基準を大きく下回っている企業が多い。そのため、9月29日の申請期限を前に、8月以降もスタンダード市場への選択申請を行う企業が増えることが考えられる。
■目次
はじめに
■上場会社数に占める経過措置適用企業の割合は14.5%
■経過措置適用企業の基準達成に向けた進捗状況
■直近の適合計画書開示後の株価推移は
■まとめ
(2023年07月31日「基礎研レター」)
03-3512-1855
経歴
- 【職歴】
2006年 資産運用会社にトレーダーとして入社
2015年 ニッセイ基礎研究所入社
2020年4月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・早稲田大学大学院経営管理研究科修了(MBA、ファイナンス専修)
森下 千鶴のレポート
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